1)木レンガ舗装のなりたち
我が国の木レンガ舗装は、明治以降、市街地の道路舗装に使われたのが始まりです。発祥の地は東京か横浜と思われます。その後関東大震災で火災を起し、使われなくなったと思われる。今から35年程前までは、道路舗装の打ち変え工事の時、木レンガ舗装が下地から発見されたという話を聞きました。舗装関係の方で経験したことがある方もおられると思います。
当時の資料は入手しにくいが、今から25年ほど前、当時の資料を国会図書館で手に入れ、初めての木レンガ舗装を行なったことがあります。
資料によると、材質は土木構造材として使われていた栗、松、樫、ケヤキ等が使われていた。形状も厚さが15〜20cmと厚く、大きさも15×20cmと大きめのレンガでした。
舗装構造は、水締めマカダム路盤の上に敷き砂を施工し、木レンガを並べ、目地にはアスファルトを熔解して詰めるアスファルト目地であった。
道路以外にも建物内部の床材としても使われていました。これは大変手の込んだ素晴らしい物でした。材質は乾燥させた芯持ちのケヤキを10cm〜15cm角に加工した物で、厚さは7〜8cmありました。目地は10〜7mm幅で道路舗装と同じアスファルトでした。今日ではまず目にすることは出来ないと思われます。色つや、歩く感触、音に惚れ惚れした記憶があります。
1970年代から全国始まった景観事業で、歩道、車道舗装に着色アスファルト、タイル、天然石、コンクリート平板、インターロッキングと多種類な素材が使われる中、人に木の暖かみをと言うことで、間伐材を有効利用した、木レンガ舗装が使えないかと言うことから始まったのが、その後の始まりではないでしょうか。
その当時、杉、檜の間伐材、カラ松、堅い南洋材を使って施工しました。構造、施工方法は、なるべく従来の方法で施工をしてみましたが、半年から3年程経過すると、がっかりすることばかりでした。その大半は腐敗、吸水膨張による反り返り、コケの付着による滑りが大きな原因であった。また、人力施工で有り、170℃の改質アスファルトを目地に流し込むのも一苦労でした。コストもかなりかかり、費用対効果は惨めな結果でした。その後も木レンガ舗装をあきらめきれずに、試行錯誤をしながら開発してきました。
2)木レンガの欠点
木レンガの欠点としては、下記なような項目があります。
- 屋外で使用した場合、どのような防腐処理をしても腐敗を防ぐことは出来ません。
- 吸水膨張も防ぐことは出来ない。
- すり減り、摩耗は起きやすい。そのため柔らかい材質は適していない。
- 間伐材等樹齢の若い材質は木レンガに適してはいない。(摩耗、腐敗が速い)
- 湿潤乾燥による、ひび割れは必ず起きる。
- 表面の色は経過と共に黒ずんでくる。
- 屋外で、素足で歩くところには施工すべきではない。(ささくれて、とげが刺さる危険があります。)
このような木本来の材質的な欠点を十分に認識した上で、計画することが肝要である。
木レンガ舗装の欠点を補うためには
- なるべく堅い樹種を選定すること。(栗、アカシヤ等)
- 水はけのよい舗装構造が必要である。(舗装仕上げ面は計画GLより高くすることがよい。また、見切り部分の縁石は、目地部分から排水出来るようにするとよい。)
- 目地は吸水膨張に耐えうる方法で施工すること。(膨張、収縮に耐える施工方法がよい。コンクリートモルタル目地は最悪です。砕石目地が最もよい。)
- 木には防腐加工よりも、撥水処理加工が有効である。(木の腐敗は菌と水分、適度な温度により進む。腐敗菌を防ぐことは困難であるため、撥水性を与えて腐敗菌の繁殖を送らせる。)
- 木レンガは原型丸太形状で加工処理するのがよい。もし角状に加工する場合には芯部分を中心にして加工するとよい。ゆがみ、ねじれ等を防ぐことが出来る。(現状丸太形状の輪切り加工がベストである。角状、均一丸太加工は無駄が多く、コスト高にもなる。)
- 木レンガは年輪面を天端とするように加工すること。(ゆがみ、摩耗に対処できる。)厚さは10cm以上必要である。厚みの薄木レンガはひび割れ等を起しやすく耐久性が悪い。
木レンガ舗装を計画する場合には上記について十分な検討が必要と思われる。
3)環境緑化エンジニアリングの取り扱う木レンガ舗装について
環境緑化エンジニアリングでは木レンガ舗装を検討する場合に、
- 樹種の選定
- 処理加工方法の検討
- 舗装構造断面決定
の順に行ないます。
木レンガの樹種
いろいろ使用した結果、屋外では栗、ニセアカシヤの2種類に現在は限定しています。(堅く、油分の多い樹種ならよいと思います。)ニセアカシアの欠点は、幹周りのとげが樹皮を取り除いても残り、作業時に刺さらないように注意が必要です。丸太の太さは110mm以上の物を使います。大半はφが150mmから350mmです。厚さは100mmから200mmが標準です。
処理加工
無害なパラフィン処理(口紅、食品に使われる)加工で、撥水性を確保しています。但しこの処理方法も、高温度で長時間処理すると表面炭化を起こし耐久性が悪くなります。また、滑りやすくなることがあるため注意が必要です。パラフィンの紫外線劣化は早いためこの処理方法に頼るのは危険があります。やはり樹種の選定が大事です。ニセアカシヤ、栗ならば処理の必要がない場合もあります。
舗装構造
木レンガ舗装断面図
木レンガ舗装平面図
舗装構造は砕石路盤(厚さは15cm以上)を下地とします。(開粒アスファルト混合物を下地舗装としても構いません。)
目地は6号砕石(5mm〜13mm)7号砕石(2.5mm〜5mm)の粒度を使います。砂土は使いません。
このような粗い単粒砕石を使うことにより、木レンガを強固に固定し、水捌けをよくします。
目地にアクセントをつける場合には、石灰岩を粉砕した物を使います。
また、目地の仕上げは木レンガの天端から5mm〜10mm下げて仕上げます。このことにより目地材の浮き上がりはありません。
この他に目地に芝生を生育させ、芝生舗装として使用することも出来ます。その場合には、木レンガ天端から4cm洗い砂を詰めます。当然その下は粗い単粒砕石で仕上げます。牧草系芝の種子をまいて発芽を待ちます。芝が生育したら芝丈を4〜5cm丈で管理しながら刈り込むだけです。
木レンガ舗装の用途
用途としては、駐車場、園路、広場、一般歩道等に最適と思われます。形状等を変えることにより個人の玄関先、住宅の周り、庭の上がりかまち、飛び石、ウッドデッキ代わりに使うことも出来ます。施工も至って簡単なため、日曜大工仕事の延長として、ご自身でも施工出来ます。
1m2からの木レンガ舗装のお手伝いを致します。
芝生を使用した木レンガ舗装
木レンガ舗装の隙間にまず目用の石を入れる変わりに、砂を入れて芝生の種子を散布すれば芝生の木レンガ舗装を楽しむことができます。
駐車場や、歩道を芝生にしたいけど、踏圧や擦り切で芝生が駄目になってしまうという場合に、芝生木レンガ舗装は効果を発揮するでしょう。
天然芝生と木レンガという組み合わせで芝生のお手入れも楽になります。芝生の面積より木レンガの面積の方が大きいので、散水も芝刈も半分以下の手間で済んでしまう等、芝生を育てる上で様々なメリットがあります。
個人宅や公園整備で使用されているW,F処理済みの木レンガ
写真の木レンガは偽あかしやの木で作られています。あかしやの木で作る木レンガは大小様々な形になるので飽きがこないものになります。
木レンガの隙間にはみかげ石が詰め込まれています。鮮やかな白色をしているので木目に良くなじみます。(みかげ石の色や大きさはお客様がご自由に選ぶことができます。)
雨の日など水に濡れるとみかげ石が綺麗に光ります。
このような裏庭にこじんまりと木レンガを施工するのもおしゃれですね。
この個人宅では駐車場に木レンガを使用しています。時間の経過と共に黒ずんで、風合いが良くなってきます。
上の写真は規則正しい大きさの丸太を敷き並べた木レンガ
木レンガで作られた散策路です。規則正しい大きさの木レンガを材料にしています。
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木レンガ |
木レンガ舗装の施工手順 |



