この付録は異なった出所の測定誤差に対する試験結果の感度について文献を示したものである。
感度と誤差評価は衝撃試験のモデルを用いて計算されている。モデルは、8ftの高さから落とされた固い半球の頭部模型と、g-max=200gであるような性質を持った弾性平面の間のヘルツ衝撃 (Hertzian impact)を仮定している。
表X2.1は、g-max、HIC、及びCFH(Critical Fall Height)測定値の各要素測定における± 1%の誤差の影響を示している。例えば、半球体の半径1%の偏差は、g-maxの誤差0.2%、HICの誤 差0.5%、及びCFHの結果という結果になる。如何なるg-maxの誤差はHIC計算の中で出力2.5に よって増幅されることは良く知られている。CFHの誤差は、g-max、HIC及びCFHの間の関係ゆえ に、g-max、HICの誤差よりも大きい。又、CFHを決定するプロセスが、小さな誤差に敏感にさ れ、HIC及び速度測定値の誤差と合成される。概して、試験結果は、半球体の質量と幾何形状の不 一致に対して最も敏感ではない。試験結果は、衝撃速度測定の要素における誤差に対して特に敏感 である。もし、flag/photogateシステムが用いられる場合、flagの幅の値又は通過時間(Δt)のい づれかの1%の誤差は臨界落下高さ(CFH)推定値の4%以上の誤差を引き起こす。自由落下試験に おいて、落下時間の測定値の1%の誤差は臨界落下高さの10.8%の誤差を引き起こす。
表X2.1X2.1.3表X2.2は、計算されたCFHにおいて、各要素の測定値が±3 inの誤差という結果になった場 合の誤差を示している。
表X2.2X2.1.4表X2.3はg-max、HIC、及びCFHの結果の誤差に関して、本規格によって規定されている測 定誤差の限界を示している。示されている数値は落下高さ8 ft、g-maxスコア200gでの試験を想定 している。加速度と衝撃速度測定には±1%の許容差が規定されているが、この測定での誤差は(二 つ又は以上のパワーによって)HIC及びCFHの計算において増幅される。その結果、±1%の許容 差は、CFHの測定において、どちらかの測定が±2.5%の誤差に寄与したかもしれないことを示唆 している。もし、加速度と衝撃速度(又は、落下高さ)の両方が規格の決められた許容差限界内で あれば、CFH測定値において合計で±10%までの誤差は可能性がある。
加速度計時間定数(Accelerometer Time Constant):
加速度計における時間定数の違いが試験室間の違いの大きな原因であることが確認されている。時間定数は、より長い時間定数はより良い低周波応答を示すことで、機械的な入力に対する加 速度計の低周波応答を決定する。非常に短い時間定数(?0 s)は交流(ac)応答、及び加速度計が 定数、又はゆっくり変化する入力に鈍感であるという結果になる。非常に長い時間定数(>10s) は、直流に近い応答及び加速度計が低周波に時間と共に殆ど変化しないことを含めて敏感であるこ とを示唆している。
この規格は1Hz又はそれ以下までのリニアーな加速度計の感度を要求している。時間定数2s又は以上で、そして適切な信号条件で、通常、加速度計はこの要件に合致している。典型的には、 加速度計は振動測定目的に製作され、この企画の要求する衝撃加速度測定に必要な最低よりも短い 時間定数(<1s)を持っている。多くの加速度計は本規格の要件に適合するように製造者によって 改造されなければならない。図X1.1に示すように、非常に低い時間定数の加速度計は、衝撃の後、 ゼロのベースラインからオーバーシュートしやすい性質の信号を発生する。適切な低周波応答がな いと、g-max及びHICスコアを少なく見積もる結果になる。
衝撃の間隔(Interval Between Impacts)― 試験を実施するために必要な時間の変動は、室温での試験の間に材料の回復レベルが変動するという結果になる。この変動は、材料の変化した回 復のために、試料内の温度条件の変更を追加することによって、室温ではない温度での試験で目立 たせることができる。
衝撃速度(Impact Velocity)― 衝撃速度の変動は落下高さ、又は落下誘導装置の摩擦の変化によって引き起こされる。
落下弾(Missiles)― 本規格の基準に示された以外の落下弾の使用は結果へ重要な変動の原因となる。質量が決められた範囲よりも大きなものは、低いg-max及びHICスコアという結果をも たらす。