付録(必須ではない情報)

X1.傷害危険曲線(Injury Risk Curve)

X1.1

衝撃の強さと頭部負傷の危険性の関係として知られている大部分は、試験室条件下で高い加速 度及び衝撃を受けた人体模型や志願した人による実験によるものである。これらの実験データーは 自動車や飛行機での衝撃保護規格の基本となっている。運動場での落下による衝撃強さの衝撃被害 のシビアリティーに対する直接的な研究はない。従って、我々は傷害危険度に対する洞察を、自動 車工業界の実験に依存して実施した。

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X1.2

図X1.1は既知のHICスコアと衝撃の結果として発生する色々な傷害の程度の確率を示してい る。これらの“Expanded Prasad/Merz 曲線”は、HICスコア、頭蓋骨骨折と脳損傷の間の観察さ れた関係の人体模型実験のデーターに基づいている。6,7 図の中の2本の実線は傷害のない確率と致命的な頭部傷害の確率を示している。破線は、頭部傷害の軽いもの、中位のもの、及び重篤なものを示しており、これらは下記のように定義される。

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6

6National Highway Traffic Safety Administration(NHTSA), Department of Transportation, 1997, FMVSS201, Head Impact Protection, 49 CFR 571.201 6 Prasad, P. and Mertz, H.J., “The Position of United States Delegation to the ISO Working Group on the Use of HIC in Automotive Environment,” SAE Paper No. 851246, Society of Automotive Engineers, Warrendale PA, 1985.

X1.2.1頭部の軽い傷害(Minor Head Injury)

― 意識の喪失のない頭蓋骨外傷;鼻、歯の損傷; 特別な顔面損傷。

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X1.2.2頭部の中位の傷害(Moderate Head Injury)

― 位置ズレのある頭蓋骨骨折及び軽い意識喪 失。位置ズレのない顔面骨折;重傷。

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X1.2.3頭部の重傷(Critical Head Injury)

― 脳挫傷、頭蓋骨内の出血及び神経系損傷の兆候を伴 う12時間以上の意識喪失;回復が覚束ない。

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X1.3

図X1.1の読み方の事例は;もし、HICスコア500に相当する頭部衝撃を受けたとすれば、頭部 が軽い傷害を受けるチャンスは79%である。又、このHICレベル(500)での頭部中位の傷害リス ク38%は重要である。しかし、この衝撃で重傷、又は致命的な頭部傷害を起こす危険性は非常に低 い。傷害なしにHIC500の衝撃を経験するチャンスはわずか21%である。

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X1.4検討(Discussion)

―HIC傷害リスク曲線は運動場落下の結果の状況を注意深く解釈しなけれ ばならない。Prasad/Metz曲線に基づくデーターは前額部衝撃を受けた大人の模型から得られたも のである。これらのデーターが、致命的ではない衝撃を頭部に受けた子供への有効性の程度は判っ ていない。又、この規格に定められたような固い半球体は、生命体のような性質を持った人体模 型、又は頭の形状によって発生されたデーターよりは、幾分高めのHICスコアを発生する。

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8

もし、図X1.2を用いて解釈されたならば、頭部傷害の確率とシビアリティを過大評価する本 規格に従って決められたHICスコアは、過大評価される傾向にある。
従って、本規格によって決められた基準は、もし、生命体のような頭の形状が用いられたなら ば、ずっと控えめである。
遊具から落下する子供の頭部傷害に対する具体的なデーターの欠落、及び1000というHICス コアが致命的傷害リスクの閾値として設定されている事実によって、ずっと控えめな基準が保 証されている。Prasad-Mertz曲線が示すように、HICの1000は致命的傷害の確率を制約して いる、しかし、尚、厳しく、致命的ではない傷害の著しいリスクがあると暗示している。HIC の1000での衝撃を傷害なしで経験する確率は非常に低く、1%以下である。

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8Saczalsk. K.J., States.J.D。、Wagner, I.J., Richardson,E.Q.,Critical Assessment of the Use of Non-Human Responding Surrogates for Safety System Evaluation.SAE Paper #760805, 1976, Society of Automotive Engineers, Warrendale PA.

図X1.1


図X1.2

FIG.x1.2 Effects of Accelerometer Time Constant

註― 衝撃の間、同じ半球体に装着された2つの加速度計からの加速度-時間曲線。適正な時間定数(3s)の加速度計と比較して、 短い時間定数(0.5s)の加速度計は衝撃後5g以上もオーバーシュートしゼロ軸を下回っており、g-maxスコアを11.5g(6%)も 過小評価している。