1.子どもの遊びにおける危険性と事故
3.各段階での安全対策の考え方
都市公園における遊具の安全確保に関する指針
■本書の読み方
顱法崚垰垳園における遊具の安全確保に関する指針」(解説版)について
都市公園における遊び場の安全性を一層高めるためには、子どもの遊びの特性や遊具に係る事故等を踏まえ、関係者の共通認識の醸成を図るとともに、公園管理者において必要な安全措置を講ずることが必要です。このため国土交通省では、関係機関や地方公共団体の意見を聴くとともに、パブリックコメントの実施を経て、我が国の都市公園の現状を踏まえ、諸外国の遊び場や遊具の安全確保に関する指針や規格を参考として、我が国の都市公園における遊具の安全確保に関する基本的な考え方を示した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」をまとめ、各公園管理者に通知しました。本指針を通知するにあたり、本指針の理解を深め、適切な運用が図られるよう、本指針の解説並びに補足的事項を記述した「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」(解説版)を作成しました。
髻法崚垰垳園における遊具の安全確保に関する指針」(解説版)の構成について
本指針の構成については、以下の通りです。
○指針(太線四角囲み)
…都市公園における遊具の安全確保に関する基本的な考え方を示したものであり、公園管理者に対する国の技術的助言に相当します。
○解説
…指針の理解を深め、適切な運用が図られるよう、解説並びに補足的事項
を示したものです。
○参考資料(細線四角囲み)
…解説に関連して、諸外国における遊具に関する規格や指針の数値基準、留意事項及びイラストなど参考となる事項を示したものです。なお、参考としている規格や指針などについては、以下のとおりです。
- CPSC:消費者製品安全委員会(米国連邦政府機関)。(本解説版では、『公共の遊び場の安全に関するハンドブック』1997年版を参考にしました)
- EN :欧州規格。欧州規格協会が策定。遊具についてはEN1176、1177が適用される。(本解説版では、1998年版を参考にしました)
- NPSI:全米遊び場安全協会。包括的な遊び場の安全プログラムである「遊び場安全点検官養成プログラム」を提供している。(本解説版ではそのプログラムを参考にしました)
「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」
(解説版)
この文章は国土交通省ホームページに掲載されているものを読みやすくしたものである。
国土交通省の遊具の安全確保に関する指針:http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha02/04/040311_.html
国土交通省のホームページアドレス:http://www.mlit.go.jp/index.html
「都市公園における遊具の安全確保に関する指針」
(解説版)
平成14年3月
国 土 交 通 省
まえがき
本指針の位置づけ
本指針は、都市公園において子どもにとって安全な遊び場を確保するため、子どもが遊びを通して心身の発育発達や自主性、創造性、社会性などを身につけてゆく「遊びの価値」を尊重しつつ、子どもの遊戯施設の利用における安全確保に関して、公園管理者が配慮すべき事項を示すものである。
(解 説)
- 都市公園とは、都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条に規定されている都市公園をいう。
- 都市公園における公園施設の安全確保については、都市公園法施行令第6条に「公園施設は、安全上及び衛生上必要な構造を有するものでなければならない」と規定されており、公園管理者が遵守すべき基本的な事項は示されている。
- 本指針は、都市公園法施行令第6条を踏まえ、都市公園法第21条に規定されている、国による都市公園の行政及び技術に関する助言の一環として、都市公園の遊戯施設のうち、主として子どもの遊びに供することを目的としたものの安全確保に関して、配慮すべき事項を示したものである。
■参考資料(都市公園法第21条)国土交通大臣は、都道府県及び市町村に対し、都道府県知事は、市町村に対し、都市公園を保全し、その他都市公園の整備を促進するため都市公園の行政又は技術に関し必要な勧告、助言又は援助をすることができる。 - 本指針は、都市公園における遊戯施設の安全確保について、公園管理者が、遊戯施設の計画・設計、製造・施工、維持管理、利用の各段階にわたり、利用者などとともに取り組むべき事項を示したものである。これらの業務を外部に委託・請負する場合には、請負者(受託者も含む)に対し、同様の対応を求めるものとする。
- なお、本指針については、遊戯施設の利用実態などを踏まえ、適宜見直しを行うものとする。
本指針の対象は、都市公園法施行令第4条に規定する遊戯施設のうち、主として子どもの利用に供することを目的として、地面に固定されているものとする(以下、「遊具」という)。ただし、管理者などが常駐し施設の管理だけでなく遊びを指導し見守っている遊び場に設置された遊具や特別な利用を目的として製造又は改造された遊具については、一般の遊具とは利用形態が異なり、個別に安全確保を行うべき遊具であることから、本指針の対象としない。本指針の対象となる遊具の利用者は、幼児から小学生(おおむね3歳から12歳)を基準とし、このうち幼児の利用については、保護者が同伴していることを前提とする。
(解 説)
- 本指針の対象となる施設は、都市公園法施行令第4条に規定されている遊戯施設のうち、主として子どもの利用に供することを目的として、本体の一部が設置面に固定されているもの(ぶらんこ、すべり台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、複合遊具、その他これらに類するもの)とし、以下「遊具」という。フィールドアスレチックコースなどの健康や体力の保持増進などを目的に設置されている施設は、対象とする年齢や設置目的、利用形態が異なることから対象としない。
■参考資料(都市公園法施行令第4条第3項)
法第2条第2項第4号の政令で定める遊戯施設は、ぶらんこ、すべり台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、砂場、徒渉池、舟遊場、魚つり場、メリーゴーラウンド、遊戯用電車、野外ダンス場その他これらに類するものとする。
- 「冒険遊び場」のように施設の管理に加え、遊びを指導し見守る管理者等(プレーリーダーなど)が常駐する遊び場に設置されている遊具は、一般の遊具とは設置目的や利用形態が異なることから対象としない。
- 特別な利用を目的として製造もしくは改造された遊具(例:視覚障害者用のセンサー付き遊具や車椅子での利用のためのラダーなど)については、設置目的に応じて個別に安全確保を行うべき遊具であり対象としない。なお、健常者と身体障害者が共用できる遊具の安全確保については、原則として本指針による。
- 遊具は、子どもの身体モジュールや発育発達段階に応じて配慮すべき事項が異なるため、本指針の対象となる遊具の利用者は、幼児から小学生(おおむね3歳から12歳)を基準とし、身体的能力などが十分でない幼児(おおむね3歳から小学校就学前の者)については、保護者が同伴していることを前提とする。また、3歳未満の乳幼児にあっては、保護者による安全確保が必要であり、遊具を利用する場合には、常時保護者等とともに利用することを前提とする。
■参考資料 (利用年齢に関する事項)
| E N | CPSC | |
| (欧州規格)・明確な年齢は示されてはいない。・0〜3 歳の子どもに保護者が必要であることを認識して草案された。 | (消費者製品安全委員会)・このハンドブックの推奨は、典型的な利用者である2〜12 歳までの年齢層を想定したものである。・学齢前(2〜5 歳まで). と学齢期(5〜12 歳まで)に区分。 | |
まえがき
本指針の位置づけ
本指針は、都市公園において子どもにとって安全な遊び場を確保するため、子どもが遊びを通して心身の発育発達や自主性、創造性、社会性などを身につけてゆく「遊びの価値」を尊重しつつ、子どもの遊戯施設の利用における安全確保に関して、公園管理者が配慮すべき事項を示すものである。
(解 説)
- 都市公園とは、都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条に規定されている都市公園をいう。
- 都市公園における公園施設の安全確保については、都市公園法施行令第6条に「公園施設は、安全上及び衛生上必要な構造を有するものでなければならない」と規定されており、公園管理者が遵守すべき基本的な事項は示されている。
- 本指針は、都市公園法施行令第6条を踏まえ、都市公園法第21条に規定されている、国による都市公園の行政及び技術に関する助言の一環として、都市公園の遊戯施設のうち、主として子どもの遊びに供することを目的としたものの安全確保に関して、配慮すべき事項を示したものである。
■参考資料(都市公園法第21条)国土交通大臣は、都道府県及び市町村に対し、都道府県知事は、市町村に対し、都市公園を保全し、その他都市公園の整備を促進するため都市公園の行政又は技術に関し必要な勧告、助言又は援助をすることができる。 - 本指針は、都市公園における遊戯施設の安全確保について、公園管理者が、遊戯施設の計画・設計、製造・施工、維持管理、利用の各段階にわたり、利用者などとともに取り組むべき事項を示したものである。これらの業務を外部に委託・請負する場合には、請負者(受託者も含む)に対し、同様の対応を求めるものとする。
- なお、本指針については、遊戯施設の利用実態などを踏まえ、適宜見直しを行うものとする。
本指針の対象は、都市公園法施行令第4条に規定する遊戯施設のうち、主として子どもの利用に供することを目的として、地面に固定されているものとする(以下、「遊具」という)。ただし、管理者などが常駐し施設の管理だけでなく遊びを指導し見守っている遊び場に設置された遊具や特別な利用を目的として製造又は改造された遊具については、一般の遊具とは利用形態が異なり、個別に安全確保を行うべき遊具であることから、本指針の対象としない。本指針の対象となる遊具の利用者は、幼児から小学生(おおむね3歳から12歳)を基準とし、このうち幼児の利用については、保護者が同伴していることを前提とする。
(解 説)
- 本指針の対象となる施設は、都市公園法施行令第4条に規定されている遊戯施設のうち、主として子どもの利用に供することを目的として、本体の一部が設置面に固定されているもの(ぶらんこ、すべり台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、複合遊具、その他これらに類するもの)とし、以下「遊具」という。フィールドアスレチックコースなどの健康や体力の保持増進などを目的に設置されている施設は、対象とする年齢や設置目的、利用形態が異なることから対象としない。
■参考資料(都市公園法施行令第4条第3項)
法第2条第2項第4号の政令で定める遊戯施設は、ぶらんこ、すべり台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、砂場、徒渉池、舟遊場、魚つり場、メリーゴーラウンド、遊戯用電車、野外ダンス場その他これらに類するものとする。
- 「冒険遊び場」のように施設の管理に加え、遊びを指導し見守る管理者等(プレーリーダーなど)が常駐する遊び場に設置されている遊具は、一般の遊具とは設置目的や利用形態が異なることから対象としない。
- 特別な利用を目的として製造もしくは改造された遊具(例:視覚障害者用のセンサー付き遊具や車椅子での利用のためのラダーなど)については、設置目的に応じて個別に安全確保を行うべき遊具であり対象としない。なお、健常者と身体障害者が共用できる遊具の安全確保については、原則として本指針による。
- 遊具は、子どもの身体モジュールや発育発達段階に応じて配慮すべき事項が異なるため、本指針の対象となる遊具の利用者は、幼児から小学生(おおむね3歳から12歳)を基準とし、身体的能力などが十分でない幼児(おおむね3歳から小学校就学前の者)については、保護者が同伴していることを前提とする。また、3歳未満の乳幼児にあっては、保護者による安全確保が必要であり、遊具を利用する場合には、常時保護者等とともに利用することを前提とする。
■参考資料 (利用年齢に関する事項)
| E N | CPSC | |
| (欧州規格)・明確な年齢は示されてはいない。・0〜3 歳の子どもに保護者が必要であることを認識して草案された。 | (消費者製品安全委員会)・このハンドブックの推奨は、典型的な利用者である2〜12 歳までの年齢層を想定したものである。・学齢前(2〜5 歳まで). と学齢期(5〜12 歳まで)に区分。 | |
1.子どもの遊びにおける危険性と事故
1−1 子どもの遊び
(1)子どもと遊びの重要性
子どもは、遊びを通して自らの限界に挑戦し、身体的、精神的、社会的な面などが成長するものであり、また、集団の遊びの中での自分の役割を確認するなどのほか、遊びを通して、自らの創造性や主体性を向上させてゆくものと考えられる。このように、遊びは、すべての子どもの成長にとって必要不可欠なものである。
(解 説)
- 遊びが果たす役割
- 遊びは、子どもに対して楽しさを与えるだけではなく、運動能力を高め、知覚の発達や概念形成、言語の獲得を助け、社会性や創造力などを養う機会を提供することによって、子どもの身体的、精神的、社会的発達などを促すものである。
- 遊びは、子どもの心身の発育発達段階に応じて、自らの限界に挑戦するものであり、子どもは、その挑戦を通して危険に関する予知能力や事故の回避能力など安全に関する身体能力などを高めることができる。子どもの成長において、遊びは重要な役割を果たしている。
- 遊び場で遊ぶことの意義
- 子どもは、遊び場での遊びを通して、屋内での一人遊びでは得られない他者や自然との関わり合い、天候や季節変化の実感などの多様な直接体験を得ることができる。
- 特に、都市公園の遊び場には幅広く利用者が集まるため、世代間や地域社会との関わり、集団での遊びを通して社会的ルールや自分が果たすべき役割、責任などの存在に気付き、他者とのコミュニケーションを円滑に図る能力を身につけることが期待できる。
- これらの多様な直接体験によって、子どもは視野を広げ、感受性や道徳観、正義感などを育み、より一層心を豊かにしながら成長していくものと考えられる。
(2)子どもの遊びの特徴
子どもが遊びを通して冒険や挑戦をすることは自然な行為であり、子どもは予期しない遊びをすることがある。
また、子どもは、ある程度の危険性を内在している遊びに惹かれ、こうした遊びに挑戦することにより自己の心身の能力を高めてゆくものであり、子どもの発育発達段階によって、遊びに対するニーズや求める冒険、危険に関する予知能力や事故の回避能力に違いがみられる。
(解 説)
- 冒険や挑戦は、子どもの遊びにおける自然な行動パターンの一つであり、子どもは、従来の遊び方とは異なった遊びを求め、面白味に欠けるものには興味を失い、より面白い遊びを求めて大人の想像を超える応用的な遊び方をすることがある。
- 子どもは、発育発達段階によって身体の大きさや体力だけでなく、危険に関する予知能力や事故の回避能力などの安全に関する能力が大きく異なる。このため、発育発達段階に応じた安全に関する配慮を行う必要がある。
(3)子どもの遊びと遊具
遊具は、冒険や挑戦、社会的な遊びの機会を提供し、子どもの遊びを促進させる。子どもが冒険や挑戦のできる遊具は、子どもにとって魅力的であるばかりかその成長に役立つものでもある。
また、子どもは、さまざまな遊び方を思いつくものであり、遊具を本来の目的とは異なる遊びに用いることもある。
(解 説)
- 子どもの遊びと遊具
- 子どもが冒険や挑戦のできる遊具は、魅力的であるばかりか、その成長に役立つものでもあることから、遊具の計画においても冒険や挑戦ができるよう配慮する必要がある。
- 子どもの創造性、主体性を大切にし、子どもが自らの工夫で遊びを生み出すことができるものである必要があり、遊び方についても一定の幅を想定する必要がある。
- 子どもの遊具利用の特徴
- 子どもは、さまざまな遊び方を思いつくため、実際の使われ方などを参考に一定の幅を想定する必要がある。
■参考(遊具のさまざまな遊び方の例)
・すべり台を複数人数で滑る
・すべり台を腹這いになり頭から滑る
・ぶらんこで立ち漕ぎをする
- 子どもにとって、遊具を本来の目的とは異なる遊びに用いることは、刺激的でチャレンジ性の高い遊びになるが、その反面、事故につながるおそれもある。
■参考(本来の目的とは異なる利用方法の例)
・すべり台の滑降面を駆け上がる
・ラダーの握り棒の上を歩く
・事故防止のために設置した柵で鉄棒遊びをする
1−2 リスクとハザード
(1)遊びにおけるリスクとハザード
子どもは、遊びを通して冒険や挑戦をし、心身の能力を高めていくものであり、それは遊びの価値のひとつであるが、冒険や挑戦には危険性も内在している。
子どもの遊びにおける安全確保にあたっては、子どもの遊びに内在する危険性が遊びの価値のひとつでもあることから、事故の回避能力を育む危険性あるいは子どもが判断可能な危険性であるリスクと、事故につながる危険性あるいは子どもが判断不可能な危険性であるハザードとに区分するものとする。
(解 説)
- リスクとハザードの意味
- リスクは、遊びの楽しみの要素で冒険や挑戦の対象となり、子どもの発達にとって必要な危険性は遊びの価値のひとつである。子どもは小さなリスクへの対応を学ぶことで経験的に危険を予測し、事故を回避できるようになる。また、子どもが危険を予測し、どのように対処すれば良いか判断可能な危険性もリスクであり、子どもが危険を分かっていて行うことは、リスクへの挑戦である。
- ハザードは、遊びが持っている冒険や挑戦といった遊びの価値とは関係のないところで事故を発生させるおそれのある危険性である。また、子どもが予測できず、どのように対処すれば良いか判断不可能な危険性もハザードであり、子どもが危険を分からずに行うことは、リスクへの挑戦とはならない。
- リスクとハザードの境界
- リスクとハザードの境界は、社会状況や子どもの発育発達段階によって異なり、一様でない。子どもの日常の活動・経験や身体能力に応じて事故の回避能力に個人差があり、幼児が小学生用遊具を利用することは、その遊具を安全に利用するために必要な運動能力、危険に関する予知能力、事故の回避能力などが十分でないため、ハザードとなる場合がある。
- 都市公園の遊び場は、幅広い年齢層の子どもが利用するものであり、一つの遊具において全ての子どもの安全な利用に対応することは困難であるが、遊具の設置や管理に際しては、子どもの年齢層などを勘案する必要がある。
(2)遊具に関連するリスクとハザード
遊具に関連するリスクとハザードは、それぞれ物的な要因、人的な要因とに分けることができる。
例えば、通常子どもが飛び降りることができる遊具の高さは物的リスクであり、落下防止柵を越えて飛び降りようとする行為は人的リスクである。
一方、遊具の不適切な配置や構造、不十分な維持管理による遊具の不良は物的ハザードであり、不適切な行動や遊ぶのには不適切な服装は人的ハザードである。
(解 説)
- リスクには、子どもの身体的能力の範囲内で対応可能な高さや可動部の揺れ具合などの遊具の構造に起因する物的な要因によるものと、子どもができると思って行った高い所に登る、飛び降りる行為などの利用者に起因する人的な要因によるものがある。
- ハザードには、遊具の構造的な欠陥や故障、不適切な突起の存在など遊具の配置や構造、維持管理の状態に起因する物的な要因によるものと、突き飛ばしなどの行為、絡まりやすい紐のついた衣服の着用など遊具の不適切な利用や周辺での行動、子どもの服装や持ち物などの利用者に起因する人的な要因によるものがある。リスクとハザードにある物的な要因と人的な要因とを整理しておくと、事故を未然に防止する対策を立てやすい。
■参考(ハザードの例)
- 物的ハザード…遊具の構造、施工、維持管理の不備などによるもの
- 不適切な配置
動線の交錯、幼児用遊具と小学生用遊具の混在など
- 遊具及び設置面の設計、構造の不備
高低差、隙間、突起、設置面の凹凸など
- 遊具の不適切な施工
基礎部分の不適切な露出など
- 不十分な維持管理の状態
腐食、摩耗、劣化、ねじなどのゆるみの放置など
- 人的ハザード…利用者の不適切な行動や服装などによるもの
- 不適切な行動
ふざけて押す、突き飛ばす、動く遊具に近づくなど
- 遊具の不適切な利用
過度の集中利用、使用制限の措置を講じた遊具の利用など
- 年齢、能力に適合しない遊具で遊ばせる
幼児が単独で、あるいは保護者に勧められて小学生用遊具で遊ぶなど
- 不適切な服装
絡まりやすい紐のついた衣服やマフラー、サンダルや脱げやすい靴の着用など
1−3 遊具に関連する事故
遊具に関連する事故には、衝突、接触、落下、挟み込み、転倒などがあり、裂傷、打撲、骨折などの傷害をもたらすことになる。
事故の状態としては、\弧燭亡躙韻あるか重度あるいは恒久的な障害をもたらすもの、⊇殿腓任△襪恒久的でない傷害をもたらすもの、7敕戮僚害をもたらすものの3段階に大別することができる。特に、頭部の傷害は重度の障害につながることがあるので十分な配慮が必要である。
(解 説)
- 遊具に関連する事故には、衝突、接触、落下、挟み込み、転倒などがあり、こうした事故は、物的ハザードと人的ハザードが関わりあって発生することが多く、一つの要因に限定することは難しい場合が多い。
- 事故の状態は3段階に大別することができ、頭部の傷害など重度の障害につながる事故として、衝突、落下、転倒などが多く報告されている。
■参考資料 (代表的な事故事例)
○挟み込みの例
- 丸太ローラーを素足で利用中、丸太から足を滑らせバランスを崩し、丸太と支柱の間に右足を挟み込み、右足裏を約2.5冦傷した。〔5 歳〕
- 複数で箱ぶらんこに腰かけて利用中、動いている状態から降りようとしてバランスを崩して転倒し、両足が箱ぶらんこ底部と設置面の間に挟まり、両足首上部を骨折した。〔6歳〕
○落下の例
- 複合遊具の階段状のデッキに座っていたところ、高さが違うデッキ同士の隙間から、1m20儔爾寮瀉嵬未貌から落下し、頭部を強打した。脳内出血により、手術を行った。〔1歳7 カ月〕
- 複合遊具の円筒形ジャングルジム部分で約2mの高さから手を滑らせて落下し、頭部を強打、約4 時間意識不明、1カ月の重傷を負った。設置面はコンクリート平板であった。公園には保護者が同伴していたが、約7m離れた路上に駐車していた車内で見守っていた。〔3歳〕
- すべり台の階段(直線型)を昇っていた際、バランスを崩し、手すりと階段の間から落下し、右腕を骨折した。〔4歳〕(「新しいニーズに対応する公園緑化施設の検討調査(遊戯施設における事故事例調査篇)」平成11年3月建設省より抜粋)
■参考資料(全米遊び場安全協会(NPSI)が包括的な遊び場の安全プログラムにおいて示しているハザードの分類)
クラスAハザード 生命に危険があるか、重度あるいは恒久的な障害を引き起こしうる状態
クラスBハザード 重大な、恒久的でないケガを引き起こしうるすべての状態
クラスCハザード 軽度のケガを引き起こしうる状態
2.遊具における事故と安全確保の基本的な考え方
2−1遊具の安全確保に関する基本的な考え方
遊具の安全確保にあたっては、子どもが冒険や挑戦のできる施設としての機能を損なわないよう、遊びの価値を尊重して、リスクを適切に管理するとともにハザードの除去に努めることを基本とする。
公園管理者は、リスクを適切に管理するとともに、生命に危険があるか重度あるいは恒久的な障害をもたらす事故(以下、「重大な事故」という)につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去し、子ども・保護者等との連携により人的ハザードの除去に努める。
子どもと保護者は、遊びには一定の自己責任が伴うものであることを認識する必要があり、保護者は、特に、自己判断が十分でない年齢の子どもの安全な利用に十分配慮する必要がある。
公園管理者と保護者・地域住民は、連携し、子どもの遊びを見守り、ハザードの発見や事故の発生などに対応することが望まれる。
(解 説)
- 遊びの価値の尊重
- 完全にリスクを除去することは、事故の回避能力を育むといった点から問題があり、遊具が子どもにとって魅力的かつ有益であるためには、子どもの発育発達段階に応じてリスクに挑戦できる機能を備えているものであることが必要である。
- 安全性を重視した遊具であっても、それが子どもにとって面白味のない構造や機能であれば、利用されなくなるか、危険な方法で利用されるおそれがある。
- 遊具は、遊びを通して、より多様な直接体験を得られるものであることが望ましい。遊具の計画にあたっては、周辺の遊び場の状況、子どもの実態、気象条件などの地域や土地の特性に応じた地域の実状が尊重されるべきであり、最低限の安全は確保した上で、利用状況や子ども及び地域の実状を踏まえて柔軟に対応する。
- 公園管理者が事故対策に過敏になるあまり、過度に安全性を重視した遊具の計画・設計や利用指導などを行うと、子どもが自由に遊ぶことができる空間や冒険や挑戦が可能な遊具が減少して発育発達を阻害するなど、子どもの不利益につながるおそれがあるので配慮することが必要である。
- リスクとハザードの取り扱い
- リスクは適切に管理する。
- 冒険や挑戦の対象であるリスクは、遊びの価値を保つ上で必要であり、自己責任の度合いが強いが重度のケガにつながらないよう適切に管理する。遊具は、階段の一段目の高さを高くするなどの工夫によって運動能力などが十分でない子どもの利用を制限するなど、子どもの発育発達段階に応じて冒険や挑戦をすることと安全確保を両立させることを可能にすることが必要である。
- 子どもは、遊具を本来の目的とは異なる方法で利用することがあることから、ある程度応用的な利用方法を想定し、安全確保の考え方もこれに対応したものとする。
- 重大な事.故につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去する。
- 都市公園は一定の自己責任のもとに遊ぶ場であるが、子どもが安心して遊べるよう、遊具において重大な事故につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去することが望まれる。
- 物的ハザードについては、計画・設計段階、製造・施工段階、維持管理段階の各段階において、除去することが必要である。
- 遊具の構造的な欠陥など、子どもが予測できない危険はもとより、不適切な隙間や突起があるなど、子どもが予測しにくい危険も除去することが必要である。
- 子ども・保護者の危険な行動、服装など利用に関する人的ハザードについては、子ども・保護者等により除去することを基本としつつ、遊具の設計などにおいても、事故の抑制について配慮することが必要である。
- 子ども・保護者の危険な行動や服装などによる影響が著しい場合には、必要に応じて掲示などにより注意を喚起することが必要である。
- 子どもにとっては、事故防止のために設置した柵が遊び道具となるなど、再発防止策が別の事故を引き起こす場合もあるため、遊具の改修にあたっては、改修する部分への配慮だけでなく、遊具の新設と同様に、全体の構造などについて配慮する。
■参考(改修により引き起こされた事故の例)
- 転落事故を受けて、再発防止を目的として遊具上部の開口部に設けた覆いの上に子どもが登り、転落する。
- 安全点検の重要性
- 遊具の安全確保において、安全点検により物的ハザードが検出されることから、安全点検が果たす役割は重要である。遊具の安全確保の考え方に基づいて安全点検を行い、重大な事故につながるおそれがあるハザードを発見した場合には、適切な措置を講ずる。
- 設置から長期間経過した遊具については、遊具そのものの老朽化や材料の劣化のほかに、子どもの年齢構成が変化することなどにより、遊具の配置や利用者の動線、植栽などによる見通しなど安全性への配慮が十分でなくなる場合もあり、遊具の利用状況なども勘案した安全点検が必要である。
- 利用者の自己責任
- 子どもと保護者は、遊びには一定の自己責任が伴うものであることを認識することが必要である。
- 自己判断が十分でない年齢の子どもについては、その保護者が子どもに代って安全な利用に十分配慮し、安全確保に努めることが必要である。
- 保護者・地域住民との連携
- 保護者は、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意あるいは制止し、遊具の安全な利用について指導することが必要である。またハザードを発見した場合は公園管理者への連絡、事故が発生した場合には、必要な措置を講ずることが望まれる。
- 地域住民は、公園の利用の際には、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意あるいは制止することが望まれる。またハザードを発見した場合は公園管理者への連絡、事故が発生した場合には、必要な措置を講ずることが望まれる。
2.遊具における事故と安全確保の基本的な考え方
2−2 安全確保における公園管理者の役割
(1)公園管理者の役割
公園管理者は、遊具の安全確保の基本的な考え方に従って、計画・設計段階、製造・施工段階、維持管理段階、利用段階の各段階で遊具の安全が確保されるよう適切な対策を講ずるものとする。公園管理者が各段階毎の業務を外部に委託・請負する場合には、受託者・請負者に対し同様の対応を求め、適切な指示、承諾、協議などを行う。また、事故が発生した場合は、事故の再発防止のための措置を講ずるとともに事故の発生状況を記録し、その後の遊具の維持管理に反映させる。
(解 説)
- 公園管理者の役割
- 地域住民や子ども・保護者のニーズを踏まえ、他の公園などとのバランスを考慮した上で、計画から維持管理、利用まで全ての段階で適切な対策を講ずるものとする。
- 遊具の計画・設計、製造・施工、維持管理、利用の各段階における公園管理者の役割は、以下のように整理される。
- 計画・設計段階においては、遊びの価値、リスクとハザードに対する考え方を踏まえ、安全な遊び場並びに遊具を計画・設計する。
- 製造・施工段階においては、製造・施工の受託者・請負者に対して、計画・設計の意図を把握させた上で、設計図書に基づいた確実な遊具の製造・施工と施工時の安全対策を行うよう求める。必要に応じて維持管理に必要な資料の提出を求める。
- 維持管理段階においては、子どもの遊び、リスクとハザードに対する考え方を踏まえて遊び場と遊具の安全点検を行い、それに基づき必要な措置を講ずるとともに維持管理の記録を行う。
- 利用段階においては、遊具の利用状況によっては、利用指導などを行う。
- 遊び場や遊具に関わる者と情報を共有・交換することが望まれる。
- 事故が発生した場合に備え、応急手当、負傷者周囲の安全確保など二次被害の防止の他、ただちに必要な措置が講ぜられるよう、消防署や公園管理者への迅速かつ的確な連絡がとられるための手段を整えるなどの対策を講ずることも、遊具における安全確保においては重要である。
- 安全対策は、事故を未然に防ぐ努力を継続することが基本であるが、事故事例に学び、改善することも重要である。事故の再発を防止するためには、要因となったハザードを速やかに除去するとともに、事故の発生状況を記録し、公園利用者も含めて安全確保に関する意見交換を行うことが望まれる。
- 業務を外部に委託・請負する場合
- 各段階毎の業務を外部に委託・請負する場合には、受託者・請負者に対して同様の対応を求め、適切な指示、承諾、協議などを行う。
- 受託者・請負者は、公園管理の責務の一端を担うことになるため、公園管理者と同様にそれぞれの立場において適切な対策を講ずる必要がある。
(2)保護者・地域住民との連携
遊具の安全確保にあたっては、公園管理者のみで行うことは難しく、遊具の安全確保に関する基本的な考え方を踏まえ、保護者・地域住民と連携することが不可欠である。
このため公園管理者は、保護者・地域住民との間において、安全点検、子どもの遊びを見守ること、危険な行動への注意、事故発生時の連絡などについて、都市公園の管理を通して協力関係を醸成していくことが必要である。また、子どもの遊び場に関わる民間団体との連携を図り、子どもと保護者・地域住民に対し、遊具の安全確保についての普及啓発を行うことが望まれる。
(解 説)
- 連携の意義
- 身近な都市公園(住区基幹公園)に常駐の管理者等が置かれることは少ないが、地域住民の目が行き届いている場合には、子どもの遊びを見守り、危険な行動への注意、遊具の故障の早期発見、事故が発生した場合の対応などの点において、より安全性を高めることが期待できる。
- 地域社会においては世代間の交流などの機会が少なくなっており、これまで保護者や地域住民が行ってきた、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意するといった習慣が失われつつある。こうした背景のもとでは、公園管理者が都市公園の整備、管理などの機会を捉え地域住民との連携を進めることは、地域住民の都市公園への理解を深めるとともに遊び場や遊具の安全性の向上には重要である。
- 保護者・地域住民との連携
- 遊具における安全確保においては、計画段階から維持管理段階、利用段階に至るまでの各段階において関わる者が、遊びの価値や遊びに内在する危険性(リスクとハザード)など子どもの遊びや遊具に対する共通の認識を持つとともに、相互に連携し、情報を共有・交換することなどが望まれる。
- 保護者や地域住民に対しては、日常の安全点検や遊びを見守ること、危険な行動への注意などに主体的に参画し公園管理者の取組と連携しつつ事故の発生を未然に防ぐことのほか、管理者等が常駐していない場合などでは、事故発生時の初期対応への協力を求めていくことが重要である。
- そのため、遊び場には、物的ハザードを発見した場合などの連絡先や、事故が起きたときに何をするべきかを分かりやすく伝えるための掲示などを行うことが必要である。
- 子どもの遊びは、都市公園にとどまらず地域の多様な空間で行われるものであり、都市公園の安全確保などを契機として、地域として子どもの遊び環境や総合的な安全確保に対する意識が高まることが望まれる。
- 民間団体との連携
- 子どもの遊び場に関わる民間団体との連携を図り、子どもと保護者・地域住民に対して、遊び場を安全で楽しく利用するための安全確保について普及啓発を行うことが望まれる。
3.各段階での安全対策の考え方
3−1 計画・設計段階
(1)遊び場の立地選定
遊び場の立地選定は、安全確保の観点から周辺の土地利用などに応じた安全な経路や見通しなどを考慮した利用動線を確保するとともに、遊具を設置する場所の地形や遊具の耐用年数などに大きな影響を与える環境条件に考慮した安全対策を講ずる。
(解 説)
- 遊び場の立地選定にあたっては、他の公園施設との関係のほか、環境条件が耐用年数などに大きな影響を与えることから、これらを考慮して安全確保の観点から設置場所を検討する。
- 遊具を設置する遊び場については、以下の事項を検討する。
- アクセス
- 地域住民の目を行き渡らせることにより、事故が起きた場合の迅速な対応が期待できるだけでなく、遊具の安全性や防犯性を高める意味からも、遊び場へのアクセスは十分な見通しを確保し、乳母車や車椅子を利用するすべての者が容易にアクセスできることが望ましい。
- ただし、遊び場の出入り口が車の通行する道路や駐車場に近接して設置される場合は、飛び出し事故を防止するフェンスや柵を設けるなど、アクセスに関して一定の制限を設ける。
- 地形
- 遊具の目的や形態に応じ、平坦地、傾斜地などの地形を活かした設置を検討する。
- 急な斜面上に遊具を設置することは望ましくないが、設置する場合には、遊具の目的に適合した傾斜度、登り降りの平坦性の確保について、特に、配慮する。
- 環境条件
- 子どもが遊ぶ場所においては、環境面での安全性、快適性の確保が必要な要件であり、日照、通風などの環境条件も遊び場の設置場所の選定にあたって十分に検討すべき事項である。
- 土砂の流出や排水不良は、遊具の基礎部分を露出させたり、腐食・腐朽などの原因となるので、適切な環境改善を講ずる。
(2)遊具の選定
遊具の選定は、地域の年齢構成、遊び場の分布、利用状況などを調べて地域ニーズを踏まえた上で、利用する子どもの年齢構成に応じた遊びの形態を想定し、種類や規模などを決定する。
遊具の種類や規模の決定にあたっては、幼児と小学生では運動能力や事故の回避能力が大きく異なるため、当該遊具を利用する子どもの年齢層を踏まえて、遊具自体や各部の寸法などを検討する。また、重量が大きい可動性の遊具の選定にあたっては、利用する子どもの想定される年齢構成や遊びの形態について十分に考慮し、慎重を期する。加えて、過剰利用による事故を防ぐため、人気のある遊具については、過密にならない範囲内で複数設置することなどに配慮する。
(解 説)
- 遊具の選定にあたっては、地域ニーズを踏まえ、当該遊具を利用する子どもの年齢層や地域の実状に応じた施設の選定を行う。
- 製品を購入する場合にも、設計の際と同様の観点を持って遊具を選定する。
- 遊具の選定に際しては、以下の事項を検討・決定する。
- 地域ニーズ
- 誘致圏を踏まえ地域の人口、年齢構成、遊び場の分布、利用状況、地域の要望などを把握するとともに、遊具を利用する子どもの年齢層や人数を想定し、併せて地域住民の安全に対する考え方などについても検討する。
- 遊びの形態
- 当該遊具を利用する子どもの年齢層などを踏まえ、適切な遊びの形態を決定する。
- ここでいう遊びの形態とは、揺動系、登はん運動系、回転動系などの遊びの特徴を表すもののことである。登はん運動系などの高い運動能力を要求するもの、揺動系、回転動系など遊具の動きを伴うものなど、遊びの形態の特徴、立地条件などを総合的に判断する。
- 遊具の種類
- 当該遊具を利用する子どもの年齢層、検討した遊びの形態などを踏まえ、ぶらんこ、すべり台、シ−ソ−など遊具の種類を決定する。
- 重量が大きい可動性の箱型ぶらんこや遊動木などの遊具は、接触した場合の衝撃が大きく、重大な事故につながるおそれがあるため、選定にあたっては、想定される子どもの年齢構成や遊びの形態などについて十分に考慮し、慎重を期する。
■参考 (遊びの形態と遊具の例)
- 揺動系(ぶらんこ、スプリング遊具)
遊具の一部が上下・前後・左右に揺動する動きで遊ぶ。
- 上下動系(シ−ソ−)
遊具の一部が上下する動きで遊ぶ。
- 回転動系(回転ジャングルジム)
遊具の水平方向に回転する動きで遊ぶ。遠心力がかかった状態で遊具に掴まっていることができる筋力が必要である。
- 滑走系(ロ−プウェイ)
遊具の一部が水平方向に走行する動きで遊ぶ。走行中、可動部に掴まっている必要があり、掴まって全身を支えることができる筋力が必要である。
- 滑降系(すべり台)
遊具は可動部を持たない。子ども自身の滑り降りる動きで遊ぶ。
- 懸垂運動系(ラダ−、鉄棒)
基本的には遊具は可動部を持たない。子ども自身がぶら下がったり、移動したり、回転する動きで遊ぶ。ぶら下がることができる筋力が必要である。
- 登はん運動系(ジャングルジム、登はん棒、クライムネット)
遊具は可動部を持たない。子ども自身の昇り降りや移動する動きで遊ぶ。よじ登ることができるだけの筋力が必要である。
- 平衡、跳躍、腹這い、その他運動系(プレイウォ−ル、平均台)
遊具は可動部を持たない。子ども自身の歩行、くぐり抜けなどの動きで遊ぶ。
- 複合系(複合遊具)
上記の遊びの形態の組み合わせで遊ぶ。
- 遊具の規模
- 幼児と小学生とでは、運動能力や事故の回避能力が大きく異なるため、当該遊具を利用する子どもの年齢層を踏まえて、遊具自体や各部の寸法などを決定する。また、過剰利用による事故を防ぐため、人気のある遊具については、過密にならない範囲内で複数設置し、混雑の緩和などについても配慮する。
- 遊具の改修・更新などについては、以下の視点を持って行う。
- 遊具の改修などは、新設時と同様の検討過程を踏まえて行う。
- 遊具の改修・更新は、遊具が老朽化し、使用不能となる物理的な耐用年数ではなく、製造時に設定された期間に基づいて行う必要がある。また、時代とともに変化する地域ニ−ズなどに起因する社会的な耐用年数も踏まえる必要があるため、一定の期間ごとに見直しを図る。例えば街区公園などでは、年月が経過すると地域の子どもの年齢構成などが著しく変化することがあり、必要に応じて改修などを行うことも考えられる。
(3)遊具の配置及び設置面への配慮
遊具の配置は、遊具と遊具周辺にいる子どもの衝突事故などを防ぐため、遊具周辺も含めた利用動線や各遊具の運動方向を考慮した安全領域などに配慮する。
幼児と小学生の双方が利用可能な遊具もあるが、一方の年齢層の利用には適さない遊具もあり、能力に適合しない遊具の利用による事故や衝突事故を避けるため、幼児用遊具と小学生用遊具の混在を避けるなどの安全対策を講ずる。
利用する子どもが落下するおそれのある遊具については、硬い設置面への配置を避けるとともに、必要に応じて設置面による落下の衝撃の緩和についても配慮する。
(解 説)
- 遊具の配置
- 遊具の配置
- 遊具の配置は、遊びに対する多様なニ−ズを踏まえつつ、安全性を考えることが必要である。例えば衝突事故などについては、静的な利用形態の遊具と動的な利用形態の遊具を分離することにより、軽減することが可能である。
- 遊具の配置にあたっては、動線の交錯、適切な遊具の向き、遊具周辺の障害物、植栽による緑陰の有無などについて配慮する。
■参考(動線の交錯、遊具周辺の障害物等の例)
遊具周辺の安全領域
- ぶらんこやすべり台が通路に近すぎると衝突事故の原因となる日射による表面温度上昇のある材質
- 金属製のすべり台は、夏季に直射日光にさらされると滑降面が過熱し、やけどの原因となることがある
まぶしさを避けた方がよい遊具
- 太陽に向かってぶらんこに乗ると目がくらみ、衝突事故の原因となる遊具周辺の障害物
- 隣接する遊具、樹木、柵、花壇
- ぶらんこの動線上にある壁やフェンス
- 幼児と小学生の双方が利用可能な遊具のほかに、一方の年齢層の利用には適さない遊具もあり、その場合には能力に適合しない遊具の利用による事故や衝突事故を避けるため、幼児用遊具と小学生用遊具の混在を避けるなどの配慮を行う。例えば地域の子どもの年齢構成によっては、幼児のための遊び場を設けることも考えられる。
- 地域住民との連携による安全確保の観点から、保護者や一般の公園利用者が遊び場を見渡せるような位置にベンチを配置することなどについて検討する。
- 遊具の安全領域
- 遊具の設置にあたり、安全な利用を確保する観点から、障害物や動線の混乱による衝突をなくすため、安全領域を十分確保することについて検討する。
- すべり台やぶらんこなどの遊具や利用者の大きな動きを伴う遊具については、動きの方向を考慮する。
■参考資料 (安全領域の確保に関する事項)
| E N | CPSC |
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■参考資料 (EN:最小限度の空間)

- 設置面への配慮
- 設置面の衝撃緩和
- コンクリートやアスファルトなどの硬い設置面は、落下時の衝撃が大きいため、落下するおそれのある遊具の配置を避ける。
- 必要に応じて安全領域には、ラバーや砂、ウッドチップなどの衝撃吸収材の使用について検討する。
- 衝撃吸収材の選定にあたっては、衛生面の安全性、耐候性・耐久性、維持管理の難易などについて検討する。
- 表土や芝草などの設置面は、適切に管理されている場合、衝撃の緩和に一定の効果がある。
■参考資料 (頭部への衝撃に関する事項)
| E N | CPSC |
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注)HIC:頭部傷害基準(Head Injury Criterion)。遊具の設置面に関しては、球体あるいは半球体の試験体及び加速度計などを用いて落下試験を行い、その結果得られるデータを公式から算出する。
■参考資料 (高さに関する事項)
| E N | CPSC |
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■参考資料 (設置面に関する事項)
| E N | CPSC |
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(4)遊具の構造
遊具の構造は、全体が子どもの利用に応じた強度を持つ必要があり、特に、動きのある遊具では、全体の構造のみならず細部の構造についても動きに対応した強度を持つように配慮するとともに、以下のような安全対策を講ずる。
- 絡まり・ひっかかり対策
- 衣服の一部などが絡まったり、身体がひっかかるでっぱり、突起、隙間などを設けない
- 突起の形状に留意し、埋め込み、ふたを被せるなど工夫する
- 可動部との衝突対策
- 可動部と地面の間に適切なクリアランスを確保する
- 可動部との衝突による衝撃を緩和する
- 落下対策
- 落下防止柵を設ける
- 登れないように足がかりをつくらない
- 挟み込み対策
- 身体の一部が引き抜けなくなるような開口部や隙間を設けない
- その他の危険対策
- つまずかないように基礎部分を埋め込むか、垂直に立ち上げず設置面にすり付ける
- 遊具のどの部分にも、切傷や刺傷の原因となる鋭い尖端、角、縁(ふち)、ささくれをつくらない
- 部品や部材を簡単に外すことができないようにする
- 救助対策
- 救助できるようにするため内部に大人が入れるようにする
また、遊具は、屋外に設置され、風雨にさらされるものであることから、材料の耐水性や耐候性、仕上げにも配慮する。また、遊具の構造は、点検整備、部品交換が容易なものとする。
(解 説)
- 遊具は、全体が子どもの利用に適した規模と強度を持ち、細部の構造も安全であることが必要である。特に、接合部や可動部の構造は、十分に配慮する。
- 遊具の構造に関する安全対策は、リスクの適切な管理と物的ハザードの除去の方法が一つとは限らないことから、遊具に求められる機能に応じて適切な方法を選択する。
- 子どもが手で触れられる部位では、安全な端部や隙間の形状、平滑な仕上げ、容易にはずれないボルトまわりの処理など、特に、慎重な配慮が必要である。また、表面仕上げは材料自体に有害性がないこと、降雨によって滑りやすくなるなど利用上の安全性が損なわれないことなどに配慮する。
- 遊具を設計する際には、維持・補修についても配慮し、点検整備、部品交換が容易なものとする。また、利用方法や供用期間などを想定し、必要な場合は材料の安全性に関する資料などを確認する。
- 遊具の荷重条件などは、子どもの利用実態を踏まえ、安全側に設定する。また、想定していた荷重条件を超えた利用や厳しい気象条件などにより消耗、劣化、摩耗する場合もあるため、耐久性の確保については十分に検討する。
- 複合遊具については、すべり台部分や登はん棒部分などの構成部分の組み合わせ方の検討にあたって、明らかに動線が交錯しないよう工夫する。
- 遊具の安全設計にあたっては、次に示す対策を行う必要がある。
- 絡まり・ひっかかり対策
- 遊具にでっぱりや突起、狭い隙間がある場合には、衣服やかばんの吊るし紐などの絡まりやひっかかりによって首が絞められ、重大なケガや死に至ることがあるため注意する。特に、すべり台の上部にあるでっぱりや突起は注意する。
■参考(絡まり・ひっかかり対策の例)
- 突起を埋め込む。
- 突起の形状を工夫したり、ふたを被せる。
- 衣服などがひっかかるようなV字型開口部はなくす。
■参考資料 (絡まり・ひっかかり対策に関する事項)
| E N | CPSC |
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- 可動部との衝突対策
- ぶらんこなどの遊具の可動部が子どもに衝突した場合、重大な事故につながるおそれがあるため注意する。
■参考(衝突対策の例)
- ぶらんこなどの遊具の可動部と設置面の間に、適切なクリアランスを確保する。
- 可動の度合いを制御する。
- 衝突による衝撃を緩和するため、着座部などの形状や素材を検討する。
■参考資料 (設置面とのクリアランスに関する事項)
| E N | CPSC |
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- 落下対策
- 落下は、頭部骨折などの重大な事故につながるおそれがあるため注意する。
■参考(落下対策の例)
- 階段や通常子どもが飛び降りることができる高さを超える場所には、必要に応じて手すり、ガードレール、落下防止柵などを設ける。
- 幼児用遊具は、登る高さを抑える。
- 小学生用遊具は、階段などの一段目を幼児が登れない高さにする。
- 途中で簡単に降りられる手段を用意し、エスケープできる構成にする。
- 柵の間などからすり抜けられないようにする。
- 小段を設け、地形を活用することにより、高さや落下距離を抑える。
- 落下するおそれがある遊具の下の基礎は、露出させない。
- 落下防止柵の高さは、子どもの体格に応じて不注意に転落することのない高さとするとともに、上に立ち上がる、座る、登る、くぐり抜けたりすることができないようにする。
■参考資料 (落下対策に関する事項)
| E N | CPSC |
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- 挟み込み対策
- 全身あるいは身体の一部を入れたとき、引き抜けなくなるような開口部、あるいは隙間の存在は、挟み込みなどによって重大な事故につながるおそれがあるため注意する。
■参考(挟み込み対策の例)
- 頭部、指、身体などを挟み込むような開口部、隙間をなくす。
- 滑る、揺れる、落下などの可能性がある遊具で、開口のチュ−ブ又は鋼管、形状が変わりやすい隙間(チェ−ンを除く)などの指がひっかかる隙間をなくす。
- ロープの、固定されていない端部を環状に結ぶことは、首や手足を入れたときに締まるおそれがあるため避ける。
- 特に、自身の身体の大きさを意識しないで開口部をくぐり抜けようとした場合、頭部あるいは脚部のいずれかを先に開口部に入れても、引き抜けなくなるおそれがある。
■参考(引き抜けなくなる例)
- 頭部を先に入れた場合:頭部の向きによって抜けなくなる。
- 脚部を先に入れた場合:身体は通るが頭部が通らない場合、抜けなくなる。
■参考資料 (挟み込み対策に関する事項)
| E N | CPSC |
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- その他の危険防止対策
- 基礎部分は埋め込むか、垂直に立ち上げず、設置面にすり付けるなど工夫して、つまずきの原因となる段差を作らない。
- 遊具のどの部分にも、切傷や刺傷の原因となる鋭い尖端、角、縁(ふち)、ささくれをなくす。
- 手又は簡単な道具で、ボルト類などの部品や部材を外すことができない構造とする。
- 石材や金属面などは、直射日光によって非常に熱くなりやけどのおそれもあるため、日陰に配置するなど配慮する。
- 救助対策
- 遊具は、大人が補助したり、救助することができる構造とする。
■参考(救助対策の例)
- 大人が入れないトンネルをつくらない。
■参考資料 (EN:予期できない障害物)

■参考資料 (EN:起こりうるエントラップメント(わな)状況の概観)
3.各段階での安全対策の考え方
3−2 製造・施工段階
(1)遊具の製造
遊具の製造は、製造受託者又は請負者(以下、「製造者」という)に対して、設計図書に基づき、計画・設計段階における遊具の構造に起因する物的ハザードの除去対策を踏まえ、製造時に設定された期間において、十分な安全確保を図るため、材料に適用される日本工業規格などの諸規格に沿って、経年変化による材料の変化などを勘案して、毒性がなく耐久性のある材料の使用及び加工・仕上げ、接合方法など、製造の各段階における品質管理を徹底するよう、指示、承諾、協議などを行う。
なお、遊具の維持管理における留意事項を把握するため、必要に応じて製造者に対して、遊具の材料、構造など、遊具の安全確保に関わる資料の提出を求める。
(解 説)
- 製造者に対して、設計図書に基づき、計画・設計段階における遊具の構造に起因する物的ハザードの除去対策を踏まえた上で、製造させることが重要である。
- 製造時に設定された期間において、十分な安全確保を図るため、材料に
適用される規格や指針などに沿って、経年変化による材料の変化等を勘
案した品質管理を徹底するため、製造者に対して、指示、承諾、協議な
どを行うことが必要である。
■参考資料(材料・製造に適用・準用される主な規格、指針など)
- 日本工業規格
- 日本農林規格
- 軽鋼構造設計施工指針・同解説(日本建築学会)
- ステンレス建築構造物工事標準仕様書(社団法人ステンレス構造建築協会)
- アルミニウム合金建築構造物設計施工規準案・同解説(日本建築学会)
- 木構造計算規準・同解説(日本建築学会)
など
- なお、固定荷重、積載荷重など遊具の荷重については、建築基準法に定められた建築物に作用する荷重及び外力等の基準を必要に応じて準用する。
■参考資料(建築基準法施行令(抜粋))
第83条 建築物に作用する荷重及び外力としては、次の各号に掲げるものを採用しなければならない。
- 固定荷重
- 積載荷重
- 積雪荷重
- 風圧力
- 地震力
- 製造段階において、安全確保のため、製造者に対して実施させる品質管理の例は、以下の通りである。
- 材料
- 使用材料は、子どもが直接触れたり、舐めることを考慮して、毒性がなく耐久性のあるものを使用する。
- 使用材料は、原則として材料に適用される規格や指針に適合し、それ以外の材料については、公的機関において品質や性能が同等品以上であることが証明されているものなどを使用する。
- 加工
- 子どもが直接触れる可能性のある部分は、バリ、ささくれ、亀裂などをつくらず、角や縁(ふち)、突起などは各種面取りを行い、保護材で覆うなど、切傷や刺傷などの原因になる部分をつくらない。
- 設置面に埋設されない部分で、鋼管の端部など挟み込みのおそれのある開口部を塞ぐ。
- プラスチック類の加工は、欠け、割れ、含浸不良などの欠陥をつくらない。
- 回転部分など摩滅しやすい部分は、耐久性のある材料を用い、併せて、維持管理に配慮し、給油孔を設け注油できるようにする。
- 仕上げ
- 腐食しやすい鋼材は、亜鉛メッキなど保護効果のある表面処理を行う。
- 防腐処理や防蟻処理は、使用時において人体に害がなく、処理を行った木材が鉄類を著しく腐食させない方法で行う。
- 子どもが直接触れる可能性のある部分は、バリ、ささくれ、亀裂などがないよう滑らかな表面処理を行う。
- 接合方法
- 鋼材の接合は、十分な強度を確保するよう溶接を行う。
- 木材の仕口の収め方については、構造上安全を確保するため隙間がないようにする。
- 維持管理段階における安全点検や補修や部材の交換を適切に行うため、必要に応じて製造者に対して、材料や構造、安全点検の要点など、遊具の安全性に関わる資料の提出を求める。
- なお、公園に設置される遊具の種類は多岐にわたる上、それらの製品の使用目的、使用材料、形状加工方法が各々に異なるため、公園施設の製造に関わる民間団体において、遊具の規格・寸法、維持管理に関する規準などを整備することが望まれる。
(2)遊具の施工
遊具の据付けなどの施工は、施工受託者又は請負者(以下、「施工者」という)に対して、設計図書に基づき、計画・設計段階における遊具の構造に起因する物的ハザードの除去対策を踏まえ、十分な安全確保を図るため、基礎部分の設置面への収め方など利用者の安全確保と遊具の耐久性に配慮した地面への固定方法、組み立て、接合、仕上げ等、施工の各段階における品質管理を徹底するよう、指示、承諾、協議などを行う。
なお、子どもの遊びの特徴から、施工者に対して、資材搬入時や施工時から施工完了、引き渡しまでの期間に、安全確保が図られるよう指示を行うことが必要である。
(解 説)
- 施工者に対して、設計図書に基づき、計画・設計段階における遊具の構造に起因する物的ハザードの除去対策を踏まえた上で、施工させることが重要である。
- 製造時に設定された期間において、十分な安全確保を図るため、遊具の施工において準用される規格や指針などに沿って、品質管理を徹底するよう、施工者に対して、指示・承諾・協議などを行うことが必要である。
■参考資料(主な規格・指針など)
- 建築工事標準仕様書(日本建築学会)
- 軽鋼構造設備設計施工指針・同解説(日本建築学会)
- 鋼管構造設計施工指針(日本建築学会)
- ステンレス建築構造設計施工規準・同解説(社団法人ステンレス構造建築協会)
など
- なお、固定荷重、積載荷重など遊具の荷重については、建築基準法に定められた建築物に作用する荷重及び外力等の基準を準用する。
■参考資料 (準用する建築基準法施行令 関係法令文(抜粋))
第83条 建築物に作用する荷重及び外力としては、次の各号に掲げるものを採用しなければならない。
- 固定荷重
- 積載荷重
- 積雪荷重
- 風圧力
- 地震力
- 施工段階において、安全確保のため、施工者に対して実施させる品質管理の例は、以下の通りである。
- 設置面への固定
- 基礎部分の設置面への収め方は、落下やつまずきによる事故を防止するため、埋設するか設置面にすり付けるようにする。
- 腐食や腐朽による劣化などを防ぐため、構造上重要な金属支柱は、腐食しやすい部分に防食保護材を巻き、木製支柱は防腐処理あるいは腐朽しやすい部分に鋼製の柱受けなどを用いるなどの対策を行う。特に、揺動系や回転動系の遊具の支柱については、支柱が回転軸を兼ねている場合が多く、単軸の場合、その地際部は応力に伴う負荷が加わることから十分な対策を講ずる。
- 接合方法
- 鋼材の接合は、十分な強度を確保するよう溶接を行う。
- 木材の仕口の収め方については、構造上安全を確保するため隙間がないようにする。
- 仕上げ
- 腐食しやすい鋼材は、亜鉛メッキなど保護効果のある表面処理を行う。
- 防腐処理や防蟻処理は、使用時において人体に害がなく、処理を行った木材が鉄類を著しく腐食させない方法で行う。
- 子どもが直接触れる可能性のある部分は、バリ、ささくれ、亀裂などがないよう滑らかな表面処理を行う。
- 遊具の形状寸法、部材寸法及び配置などの項目について、安全確保の観点のため変更する必要があると認めるときは、施工者に対して、指示・承諾・協議などを行うことが必要である。
- 図面上で遊具の基礎部分が必要以上に突出しており、設置面へのすり付けや埋め込みによる安全対策を講ずる必要がある場合など、設計図書と現場での施工に不一致、不都合が生じた場合には、適切な指示・協議などを行い、必要に応じて設計変更を行う。
- 子どもの遊びの特徴から、子どもは施工中の遊具に興味を示すことがあるため、施工者に対して、資材搬入時や施工時から施工完了、引き渡しまでの期間に安全確保がなされるよう、施工現場に立ち入らないように柵などで囲うか、あるいは案内板などによって注意を喚起するなど事故防止対策を徹底するよう適切な指示を行う。
- 公園管理者は、遊具の引渡し後から供用開始までの期間についても、供用前の遊具を利用できないように柵などで囲う、掲示などによって注意を喚起するなど事故防止対策を徹底する。
3.各段階での安全対策の考え方
3−3 維持管理段
(1)点検手順に従った確実な安全点検
遊具の維持管理は、遊具そのものの性能確保に関する点検・修理を行うにとどまらず、子どもにとって安全で楽しい遊び場であるかという視点を持って行うことが必要である。遊具の構造を要因とする物的ハザードの発見・除去を中心に確実な安全点検を行うとともに、定期的な補修などの維持管理を行うため、維持管理計画を策定し実行する。
安全点検は、維持管理全体の中で最も基本的な作業である。安全点検には、初期の動作確認のために製造・施工者が行う初期点検、公園管理者が行う日常点検及び定期点検、専門技術者が行う精密点検があり、これらの安全点検を確実に行うものとする。
特に、日常点検においては、腐食・腐朽、変形、摩耗、部材の消失などに注意し、必要に応じて専門技術者による安全点検を行うものとする。
(解 説)
- 遊具の安全点検が不十分な場合、重大な事故につながるおそれがある物的ハザードの見落としなどによって、事故が起きるおそれが高くなる。日頃の適切な安全点検で物的ハザードを発見し、適切な措置を講ずることにより、事故の発生を未然に防ぐことが可能となる。
- 確実な安全点検を行い、発見された物的ハザードを適切に処理するために、遊具の維持管理計画を策定・実行する。
- 安全点検の種類
- 安全点検は、その内容と頻度により以下のように区分される。
a.初期点検:
- 供用後に公園管理者の立ち会いのもと、遊具の初期の動作性能確認のために、製造・施工者が設置直後に行う点検のことである。
- 製造・施工者の責任と判断において行われる。
- 動的な構造を持つ遊具や新設計の遊具は、初期不良が発生するおそれがあり、そのため十分な機能を発揮しない場合がある。また、木製遊具の中には、設置後にボルト類の増し締めを必要とするものもあり、これらの不具合を解消するために行う。
b.日常点検:
- 公園管理者が、主として目視、触診、打診などにより、施設の変形や異常の有無を調べるために日常業務の中で行う点検のことである。
- 変形及び異常を発見した場合には、必要に応じて遊具の構造に熟知した専門技術者による点検を行う。
- 点検の頻度は、施設の構造、利用状況、地域の気象条件などで異なるが、製造者の示す維持管理上の留意事項・点検スケジュ−ルを踏まえ、公園管理者は現場にあった維持管理計画を作成し、実施する。
- 日常点検においては、変形や摩耗、部材の消失などに着眼して行う必要がある。特に、腐食・腐朽が進みやすい基礎部分などは、入念に点検する。
■参考(日常点検の着眼点の例)
- 変形 :ゆがみ、たわみ
- 部分の異常:金具、締め具の変形やゆるみ、詰め物の脱落
- 部材の異常:ひび、破損、さび、腐食・腐朽、劣化、塗料の剥離
- 遊具の異常:動かない、きしみ、揺れ、摩耗、傾き
- 欠損、消失:手すり子や踏み板などの部材の欠損・消失、金具や締め具などの消失
- 周囲の異常:地面の凹凸、危険物の散乱、砂場などの衛生状態、不適切な基礎の露出、有毒な害虫
- 目視・触診・打診が主体となるため、点検を行う者の経験則に頼るところが大きく、診断結果に個人差がでることが予想される。できる限り客観的な診断を行うためには、点検シ−トを作成して点検を行うことが有効である。
- 遊具本体とあわせて、設置面や植栽などを含めた遊び場全体を対象に、子どもが安全かつ楽しく遊べる環境であるかといった視点で点検を行うことも必要である。
■参考(設置面、植栽などにおける点検の視点の例)
- 遊び場にガラス片が落ちていないか
- 遊び場の植栽に有毒な害虫が発生していないか
c.定期点検:
- 公園管理者が、必要に応じて専門技術者と協力して、一定期間ごとに目視や打診、又は用具を使用して行う点検のことである。
- 変形及び異常が発見され得た場合には、必要に応じて精密点検を行う。
- 点検の頻度は年1 回以上とする。
- 特に、基礎部分の腐食・腐朽などについては日常点検では分かりにくい上、重大な事故が起こりやすいので、専門技術者による点検を行う。
d.精密点検:
- 必要に応じて専門技術者が詳細に行う点検のことである。
- 日常点検や定期点検時にハザードと思われるものが発見され、特に、精度の高い診断が必要な時に専門技術者が行う。
- 安全点検の視点
- 確実な安全点検を行うためには、点検漏れの防止に努め、判断基準の統一などを図る。
- 適切かつ確実に安全点検を行うために、点検シ−トの作成と活用は有効であると考えられる。
- 使用材料や部位によっては、劣化傾向や管理方法が異なるため、安全点検にあたっては、点検対象の遊具の特性、仕様など、基礎的な情報を予め把握しておく。
- 安全点検において異常を発見した場合は、その内容によっては、定期点検時ではなくても専門技術者の意見を求める。
- 遊具の点検結果などの維持管理の履歴が継承され、効率的に維持管理がされるよう、遊具の点検記録書を作成する。
- 点検結果に応じて整備補修や部材の交換などを行う場合、製造・施工者が提出した資料を参考とすることは効果的であり、公園管理者は遊具の設置にあたり、製造・施工者に材料、製造時に設定された期間、交換の目安など維持管理に必要な資料の提出を必要に応じて求めるものとする。
(2)発見されたハザードの適切な処理
発見された物的ハザードについては、その程度に応じて遊具の使用制限、補修などの応急措置を講ずるとともに、修理、改良、撤去、更新などの恒久的な措置の方針を迅速に定めて実施する。なお、応急措置を講ずる際には、恒久的な措置を講ずるまでの間に、事故が発生しないよう現場の管理に留意する。
(解 説)
- 発見された物的ハザードについては、その危険性の程度を判定し、より危険性の高いものは優先的に措置を講ずる。
■参考資料(全米遊び場安全協会(NPSI)が包括的な遊び場の安全プログラムにおいて示しているハザードの分類)
クラスAハザード 生命に危険があるか、重度あるいは恒久的な障害を引き起こしうる状態
クラスBハザード 重大な、恒久的でないケガを引き起こしうるすべての状態
クラスCハザード 軽度のケガを引き起こしうる状態
- 特に、生命に危険を及ぼす、重度あるいは恒久的な障害をもたらす、身体の欠損を引き起こすなどのおそれのある物的ハザードは、早急に取り除く。また、子どもは、破損した遊具に興味を示すため、破損した遊具についても早急に措置を講ずる。
■参考(破損した遊具の使用例)
- 台座のはずれたぶらんこでの遊び(鎖にぶらさがったり、振り回すなどのターザンロープ遊び)
- 物的ハザードに対する措置
- 公園管理者は、遊具に重大な事故につながるおそれがある物的ハザードが認められた場合には、ただちに使用制限の措置を講ずるとともに、修理、改良、撤去、更新などを行う。
- 使用制限の措置としては、立入り防止柵の設置、遊具にネットを掛ける、可動部分の結束などの措置によって、明らかに使用できないようにし、事故を防ぐよう対策を講ずる。ただし、これらの対応が結果として予期しない遊びを生じさせ、事故を発生させるおそれがあることを考慮する。併せて、掲示によって注意を喚起することも検討する。
- ボルト類の緩みなどの軽度な物的ハザードが認められた場合には、迅速な対応を可能にするため、簡易な補修ができる体制と技術を備えておくことが望ましい。修理や部品交換などは、必要に応じて製造者の意見を踏まえて行う。
- 故意による損壊・落書き
- 故意による損壊、落書きなどを放置することは、遊び場の環境を悪化させたり破壊行為を助長することになるため、速やかに落書きの消去や損壊した遊具の修理などを行うことにも配慮することが望ましい。
(3)事故への対応
事故が発生した場合、負傷者への対応や再発防止対策を速やかに講ずる必要があるため、遊び場には関係官署や公園管理者の連絡先を掲示することが望ましい。
事故後の対応としては、事故のあった遊具への迅速な応急措置及び恒久的な措置、事故原因の調査などを行い再発防止に努める。
(解 説)
- 事故への対応にあたっては、事故が発生した場合には直ちに必要な対策が講じられるよう対応を図るとともに、事故の再発防止に努める。
- 速やかな連絡の重要性
- 事故が発生した場合には、負傷者への対応や再発防止対策を速やかに講ずるため、消防署のみならず、公園管理者へも速やかに連絡がとられるよう緊急連絡手段を確立することが必要である。
- 遊び場には、事故が起きたときに何をするべきか示すため、以下の内容を少なくとも1箇所掲示することが望ましい。
- 救急車を呼ぶ(119番)
- 公園管理者の連絡先
- 最も近くに設置されている電話がある場所
- 事故の再発防止
- 公園管理者は、事故の再発防止対策として、事故が起きた遊具についてただちに使用制限の措置を講ずるとともに、速やかに修理、撤去などの迅速かつ適切な措置と事故や苦情の記録の蓄積・整理を行い、必要に応じて記録を見直し、改善すべき点を抽出し、維持管理計画に反映させる。
- 負傷者に適切に対応するため、遊具の欠陥や管理瑕疵に起因する損害賠償などに備え、設置した遊具に適用される保険への加入などの対応が望まれる。さらに、既製品を用いる場合には、製造者が製造物責任法に対応する保険に加入しているか確認しておく。
■参考資料(都市公園において事故が発生した場合に適用される賠償保険の例(被保険者が地方公共団体の保険))
- 被保険者が都道府県の場合:「施設賠償責任保険」
- 被保険者が市の場合:おおむね「全国市長会市民総合賠償補償保険」(「賠責任保険」と「補償保険」のうち「賠償責任保険」にて対応)
- 被保険者が町村の場合:おおむね「全国町村会総合賠償補償保険」(「賠償責任保険」と「補償保険」及び「公金総合保険」のうち、「賠償責任保険」にて対応)
(4)事故に関する情報の収集と活用
事故については、発生状況の記録と分析を行い、事故の再発防止、遊具の改善などに反映させることが必要である。
事故の発生状況などの情報については、遊び場や遊具に関わる者が共有・交換し、相互に役立てることが望まれる。
特に、遊具において30日以上の治療を要する重傷者又は死者の発生した事故が起きた場合には、関係機関が速やかに情報を共有できるよう報告などの必要な措置を行うものとする。
(解説)
- 安全対策を講ずる上で、事故事例から学ぶことは多い。既に起きた事故の状況記録と原因分析は安全管理上必要なため、これらの情報の蓄積・整理を行い、必要に応じて記録を見直し、遊具の安全確保のための対策に活かす。
- 事故情報の記録
- 事故の発生状況などの情報は、遊び場や遊具に関わる者の間で、あるいは地域住民などとの間で共有することを前提に、事故の発生日時、場所、負傷者本人の情報、負傷部位、ケガの種類・程度、事故原因などの必要事項を分かりやすい書式を定めて記録する。
■参考(記録しておくとよい項目の例)
- 事故発生の日時、場所、天候
- 負傷者本人の情報(氏名、年齢、性別、履物・持ち物を含む着用物)
- 負傷の部位、種類(例:打撲、骨折など)、程度(例:縫合○針、入院○日)
- 事故原因(例:地面の状態、遊具の名称・箇所・製造者、人的要因など)
- 事故発生時、現場にいた利用者(子ども・大人)の人数、保護者の有無
- 事故発生までの経緯、事故発生時の周辺の状況、現場の写真
- 事故後の対応(治療、公園管理者の対応など)
- 記録者の氏名(特に、事故原因や事故発生時の状況は詳しく記載するとよい)
- 事故情報の活用
- 事故情報は、地方公共団体内の公園管理に関わる者にとどまらず、学校教育、児童福祉などの関連部署や、他の地方公共団体の公園管理者など、遊び場や遊具に関わる者が情報を共有・交換することにより、相互の改善に役立て事故の再発防止に資することが望まれる。
- 遊具を含む公園施設における事故が発生した場合については、「都市公園における事故の防止について」(平成2年2月19日付け建設省都公緑発22号都市局公園緑地課長通知)及び「都市公園の安全管理の強化について」(平成11年12月24日建設省都公緑発第89号都市局公園緑地課長通知)をもって、同種事故の再発防止などを図るため、その状況などを調査の上、速やかに報告するよう公園管理者に依頼している。
■参考資料(「都市公園における事故の防止について」(平成2年2月19日付け建設省都公緑発22号都市局公園緑地課長通知)(抜粋))
- 「公園施設に起因する事故が発生した場合、同種事故の再発防止等を図るため、当該事故(30日以上の治療を要する重傷者又は死者の発生したもの)について、その状況等を調査の上、速やかに当職あて報告することとされたい。」
■参考資料(「都市公園の安全管理の強化について」(平成11年12月24日付け建設省都公緑発第89号都市局公園緑地課長通知)(抜粋))
- 「「都市公園における事故の防止について」(平成2年建設省都公緑発22号)において、公園施設に起因する30日以上の治療を要する重傷者又は死者の発生する事故が起こった場合には、当該事故の状況等について当職あて報告するよう依頼しているところであるが、同種の事故の再発を防止するためには、事故に関する情報を発生後早期の段階で共有することが不可欠であることから、今後とも速やかな報告に努められたい。」
3.各段階での安全対策の考え方
3−4 利用段階
(1)遊具の利用状況の把握
- 設置した遊具の利用状況の実態を知ることは、遊具の安全確保を図る上で重要であり、子どもと保護者・地域住民の協力を得て遊具の利用状況を把握し、維持管理や改修などに活かすことが必要である。
(解 説)
- どの年齢層の子どもがどのように遊具を利用しているかなど、遊具の利用状況を把握することは、安全点検における着眼点がより明確になるほか、社会的な耐用年数に基づく改修などの必要性の検討を行う上で必要である。
- 遊具の利用状況を把握するにあたっては、都市公園に公園管理者が常駐していないことから、各公園に対するきめ細かな状況把握は、保護者・地域住民の協力を得ることが有効であると考えられる。協働して利用状況を把握することによって、保護者・地域住民の都市公園や遊具の安全に関する意識を高める効果も期待できる。
(2)安全管理の啓発と指導
- 遊具に関わる事故を未然に防ぐためには、遊具の利用状況を踏まえた上で、公園管理者と子ども・保護者や地域住民との間で、遊具の安全確保のための対策や相互の役割分担などについて共通の認識を持つことが重要である。遊具の安全管理には、子どもや保護者の協力が不可欠であるため、公園管理者は、地方公共団体内の関係部署や地元自治会、地域住民との相互協力のもとで、子どもや保護者が自らの服装や遊具の異常にも注意を払うなどの都市公園での安全で楽しい遊び方についての普及啓発にも配慮する。なお、事故防止のための指導にあたっては、子どもの遊びは本来自由で自発的なものであり、遊びの価値を十分に勘案し、過度に制約的にならないように注意する。
(解 説)
- 子ども・保護者が遊具の利用における安全確保について正しい知識を有していないと、例えばすべり台で頭から滑り降りるなどの遊具の安全でない使い方や子どもの発育発達段階以上の能力を要求する遊具への挑戦を奨めるといった危険な行為が行われることがあるため、安全確保について正しい知識が必要である。
- 遊具の安全確保のための対策などについて、公園管理者と利用者・地域住民との間で共通認識を持つことは、遊具が安全に利用される上で重要である。
- 利用者・地域住民への普及啓発
- 特に保護者に対し、子どもの遊びの特徴、子どもの年齢に応じた適切な遊具の利用や危険な利用方法、行動、服装など、子どもと保護者の自己責任において注意する必要がある事項と遊具の異常を発見した場合の連絡先について情報を提供する必要がある。また、地域住民に対しても同様の情報提供を行い、危険な遊びを見かけた場合の注意、遊具の異常を発見した場合の連絡について、協力を求めることが必要である。
- 安全確保に関する情報提供の方法には、公園での掲示のほかに、パンフレットの作成、地方公共団体発行の広報紙への掲載、幼稚園・保育所、児童館、学校など子どもに関わる施設、地元自治会への指導協力依頼などがある。その際、総合的な安全キャンペーンの一環として展開することが有効であると考えられる。
- 子どもと保護者・地域住民と安全確保に関わる安全で楽しく遊具を利用できるための対策を講ずる。
- 意見交換の有効性
- 情報提供の際には、公園の安全管理についてどのような対策を講じているか示した上で、公園管理者側からの一方的な働きかけとしないように意見交換などを行い、利用者や地域住民からの安全に関する情報及び意見・要望の反映、地域住民の知識や経験を活用することは、安全確保上有効であると考えられる。
(3)子どもと保護者・地域住民との協働による楽しい遊び場づくり
都市公園には、通常、公園管理者が常駐していないため、保護者・地域住民と連携し、子どもの遊びに対する共通認識を形成して、安全な遊び場づくりに取り組むことが望ましい。
保護者や地域住民が、子どもの遊びや遊具に対して関心を持ち、日頃から適切に注意喚起をするなど、積極的に関与していくことが重要である。
また、遊び場に関わる民間団体との連携を図り、子どもと保護者・地域住民に対し、遊び場を安全で楽しく利用するための普及啓発を協働で行うことが望まれる。
(解 説)
- 維持管理は、原則として公園管理者が行うものである。
- 地域社会と日常的に深く関わり、地域住民の目が行き届いている公園では、地域住民による危険な遊びに対する注意や遊具の故障や破損などの早期発見、事故発生時の対応などの点で、より安全性の高い公園となることが期待できる。
- 人的ハザードの除去は、利用者の協力と注意を必要とするものであることから、遊びに適した服装で、発育発達段階に応じた適切な遊具を適切な方法で利用するなど、安全確保の方策について、掲示などで周知する。ただし、安全について思考し判断する能力が不十分な幼児に対して、遊具を適切な方法で利用することを要求することは限界があるため、管理者等が常駐していない公園では、保護者や地域住民が関心を持って見守ることが必要となる。
- 物的ハザードはいつ発生するか特定できないものもあるため、公園管理者による安全点検の後も利用者や地域住民が注意を払い、物的ハザードを発見した場合には、公園管理者に連絡できるよう、連絡先を掲示する。そのため、発生しやすい物的ハザードの例示は有効であると考えられる。
- 保護者や地域住民の社会参加への意向を確認した上で、利用前の安全確認などの補完的な安全点検・安全管理作業に地域住民の協力を得るしくみの確立や、事故への対応を地域住民とともに考える。
- 都市公園の整備、管理など様々な局面において地域住民の参画を得るなど、地域住民の共有財産として親しまれる公園づくりを進めることは、安全確保上有効であると考えられる。
■参考(地域住民との協働の例)
- 子どもや地域住民の参加による、既存の遊具の評価
- 遊び場づくりに関するワークショップ
- 利用者や地域住民から苦情だけでなく好ましい点も聴取することが重要であり、こうした情報を得るための場を設けることが、安全でより楽しい公園づくりにおいて有効であると考えられる。
- 遊び場に関わる民間団体において、遊び場を安全で楽しく利用するためのガイドラインなどを利用者・地域住民向けに策定することも有効であると考えられる。
- これからは、公園や遊具の安全確保も、地域レベルでの安全・安心なまちづくりの一環として、総合的な安全確保の中で、地域住民の協力を得て進めることが望まれる。その際、地域住民の知識や経験などの活用は有効であり、地域住民との協働体制による展開が望まれる。
用語の解説
本解説版で使用している用語の解説は以下のとおりです。
- 遊具 :都市公園法施行令第4条−3に示された遊戯施設のうち、主として子どもの遊びに供することを目的として、地面に固定的に設置されるもの。(ぶらんこ、すべり台、シーソー、ジャングルジム、ラダー、複合遊具、その他これらに類するもの)
- 遊び場 :遊具とその周辺の、子どもの遊びに供することを目的とする一体の空間。
- 遊びの価値 :遊びは、子どもが生きていくために必要な身体的、精神的、社会的能力などを身につけるために不可欠なものであるということ。
- 事故 :遊具に関連して発生し、思いかけず心身に一定の障害・傷害あるいは死を引き起こす出来事。
- リスク :事故の回避能力を育む危険性あるいは子どもが判断可能な危険性。遊びの価値のひとつ。
- ハザード :事故につながる危険性あるいは子どもが判断不可能な危険性。
- 公園管理者 :都市公園法に基づく、都市公園の設置・管理者。
- 製造・施工者 :遊具の製造・施工を受託・請負した者。
- 幼児 :おおむね3歳から小学校就学前の者。
- 保護者 :子どもに対する保護責任がある者。
- 地域住民 :当該遊び場の利用者が生活する地区の住民。
- 専門技術者 :遊具の構造に熟知する専門的な知見や詳細な点検に必要な専門的な技能を有する者。
- 地域ニーズ :遊びや遊具の種類、安全などに関する地域住民の要求。
- 設置面 :遊具が固定されている地盤面、又はそれに準じた整地面。
- 安全領域 :遊具の安全な使用に必要とされる空間。(ENより)
- クリアランス :部材と部材、遊具と設置面の間隔。
- 挟み込み :開口部や隙間に、全身あるいは身体の一部を入れたとき、引き抜けなくなること。
- 手すり :利用者の手を支え、身体を安定させるための横木。
- 落下防止柵 :高所から不注意あるいは予期しない転落を防止する柵。
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ゴムチップ舗装の施工面積計算 |
ゴムチップ舗装の設計について |
遊具の落下高さとゴムチップ舗装厚の関係一覧表 |



