塩化カルシウム えんかカルシウム Calcium Chloride 

吸湿性、潮解性(→ 潮解)をもつ。無色の結晶で、無水物のほかに、1、2、4および6の水和物がある。

製法

天然には海水塩中に少量存在するが、工業的にはアンモニアソーダ法(ソルベー法:→ソーダ)の副産物として、おもに2水和物が大量にえられる。

性質

塩化カルシウムの水溶液を濃縮していくと、30°C以下では6分子の結晶水をもつ6水和物(CaCl2・6H2O)、30〜40°Cでは4水和物(CaCl2・4H2O)、それより温度が高いと2水和物(CaCl2・2H2O)の結晶がえられる。2水和物は175°Cで1水和物、約300°Cで無水物となる。

無水物は水によく溶解し(100gの水に-54.9°Cで42.5g、0°Cで59.5g、100°Cで159g)、種々のアルコールやアセトンにも溶解する。乾燥剤として利用されるが、アンモニアやエタノール(→アルコール)に対しては、反応して分子化合物をつくるので、それらの乾燥にはつかえない。

用途

乾燥剤、製氷の冷却剤としてもちいられる。塩化カルシウム水溶液は凝固点が低く、塩化ナトリウムの水溶液と同様に、冷凍機の冷媒(ブライン:→冷凍)として広くもちいられている。6水和物と氷を1.44:1の割合で混合すると、-54.9°Cまで急激に冷却されるので、冷却用として利用される。ちなみに南極の塩湖で発見された鉱物の南極石(antarcticite)は、塩化カルシウムの6水和物である。

ほかに、豆腐の凝固剤、土質改良剤、高カリウム血症や低カルシウム血症の治療に医薬品としてもちいられるが、道路・歩道・駐車場・構内などの雪氷対策ほか霜柱防止・再凍結防止にも利用されています。グラウンドに散布して、土の飛散を防止するために使用する場合の使用量は、1年間に1平方メートルにつき2kgを2回の量散布する。

塩化カルシウムを土中に混合したり、土舗装表面に散布している状況




土中に塩化カルシウムを混合することで凍結融解の防止と、土の乾燥を防止することができる。



塩化カルシウムを土舗装表面に散布することで、土の乾燥を防ぎ、飛散を防止することができる。