遊園地は子供にとって楽しみと幸せを感じる場所であるが、怪我の危険のある場所でもある。転倒や落下、特に遊具からの落下による怪我を最小限にするために、遊園地では、遊具の下や周辺に衝撃吸収表面を装備している。衝撃保護には様々な材料があるが、最も衝撃保護機能が高いのは、スクラップタイヤから製造された材料である。遊園地の表面保護に使用されるタイヤ材料に対する疑問や心配の声もある。この簡単な報告書は、これらの疑問に対する回答を用意するものである。この報告書の情報は、連邦政府機関、政府関係研究所、医療研究機関、認証試験機関、タイヤ製造業者などによって提供されたものである。
現時点では、ルーズフィルと成型マットの2種類の材料が市場に出回っている。ルーズフィルとは、通常は1/2 in 〜3/4 in(13〜19mm)のゴムチップで、ゴム以外の物質は除去され、遊園地に敷き込む前に水洗されている。タイヤには補強材としてアスベストやガラス繊維は使われていない。
マットは、現場注入成型品(Pour-in-place)と通常の成型品の2種類のタイプの内の一つを使用する。現場注入成型品はタイヤ粉砕ゴム、又はその他の粉砕ゴムとバインダーを混合し、遊具の下に、コンクリートを流し込むと同様の方法で注入し均す。通常のマットは現場注入成型品と同様な方法で工場で生産され、大型の一体品であったり、小さなブロックを結合させ、望みの色と形状に仕上げられるようなものになっている。マットはアメリカ障害者法(American With Disability Act)に規定された遊園地の通路要件(Play ground access requirement)に合致するという利点を持っておる。
メーヨークリニック(Mayo Health O@sis, May 1998)によると、遊園地の怪我の70%は落下によるものである。消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission・・CPSC)は、アスファルトやコンクリートのような硬い舗装材料はどのような高さの遊具であれ、ゴムマットのような統一された衝撃吸収材料をベースにしない限り、その下や周辺に使用することは不適切であると勧告している(CPSC文書1005)。
CSPCは統一された材料とは、「一般的に言えば、ゴムマット、あるいは遊園地現場で注入成型され、統一された衝撃吸収表面を形成するためにバインダー架橋されたゴム様物質」と定義している(CPSC文書1005)
メーヨークリニックは遊園地のマットあるいは床材としてゴムのような性質のものを推奨している。イリノイ州政府は6インチ(15 cm)の厚さに敷き詰めた廃タイヤゴムとその他のルーズフィル材料での比較試験を実施した。ワイヤ除去したタイヤチップは他の材料と比べて約2倍のクッション効果を示したと報告されている。
タイヤチップのデーターはイリノイ州エネルギー資源局がASTM F12-93、ASTM F355-86に従って測定した。他の材料についてはCPSCの文書1005から引用した。
註)*試験の定義によれば、数値が大きいほど安全な材料である。
1995年にタイヤチップについて連邦危険物法(Federal Hazardous Substance Act)に基づき、この材料がFlammableか、否かを決定するためのテストが実施された。
(材料が発火し、自分の炎で燃焼する速度が主軸沿いに0.1 in/sec.以上であれば、その材料はFlammableと見做される。)
| Burn Length(inches) | Time(seconds) | Burn rate(inches/second) |
| 0.5 | 60.0 | 0.01 |
| 0.1 | 60.0 | 0.001 |
| 0.4 | 60.0 | 0.01 |
| 0.4 | 60.0 | 0.01 |
このテスト結果から、スクラップタイヤ材料はnon-flammable(非引火性)と結論された。
1994年にメリーランド州環境局(Maryland Environmental Service・・MES)は一連の試験でこの疑問に答えた。MESのリクエストにより、試験研究所は3/4 inタイヤチップを塩酸(胃の中の酸)に浸した。目視の不溶解分残渣は補強用の有機繊維と思われるものであったが、塩酸に溶解してしまった。とにかく、例えば、チョーキング(粉吹き)、亀裂、われ等は観察されず、タイヤゴムは影響を受けていなかった。これは何を意味するかというと、ゴム粉を飲み込んでしまったとしても、急性や慢性の問題を惹き起さないということである。短期間の問題としては、飲み込んだ量によっては胃に不快感があるかもしれない。飲み込まれたゴムチップの運命は、他の不消化物と同じように体内から排出されてしまう。