今年の生育試験は小面積の芝生化を対象とした試験を行う。この方法は全国初の生育試験方法を含んでいる。わが社では廃タイヤゴムチップを使ったスクールターフ(アスファルト乳剤混合物)の実績がある。この施工方法は芝に最適な方法であるが、コストが高く、施工技術が難しいため、容易に普及できない欠点があった。そこで、スクールターフ工法に準拠した工法開発をテーマとして今回実施した。
この工法は、床土にターフチップ混合土を使用する従来の方法と、床土の下地にゴムチップ層を設置する方法である。施工方法も容易で、なおかつ安価である。
1)ターフチップ混合土
この混合土は山土とゴムチップ(1、3?粒径)を重量比で80:20の割合で混合した。山砂はゴムチップのツナギ材、床土の保水材としての役割である。
ゴムチップは、排水性・クッション性・保肥力の維持・保温性の確保が役割である。
2)床土下ゴムチップ層
この層には粒径3、8?、5、10?、15、25?のゴムチップが使われる。その粒径は施工面積、施工厚、用途により使い分ける。今回は小規模な面積が対象で薄く施工するため3、8?粒径を使う。ゴムチップ層は暗渠排水・クッション層・肥料流失防止・害幼虫の侵入防止が役割である。
3)試験区
試験区はA試験区とB試験区からなる。
- A試験区)
- A試験区は従来行ってきたターフチップ混合土を5、10cm厚で施工する。
- B試験区)
B試験区は床土工の下に5cm厚のゴムチップ層を施工し、その上に床土工としてターフチップ混合土を8cm施工する。

B試験区の詳しい説明(ゴムチップ基盤芝生工法 MTU工法)
両試験区の張り芝はどこでも容易に購入できる市販の高麗芝で行う。また、両試験には目土としてターフチップを1m2当たり3kg散布する。試験区の場所は、仙台市内のAさん方である。(従来の芝日記の施工場所)
4)生育試験の目的
個人庭園に占める芝生面積はそれほど多くはないと思われる。しかしその利用頻度はかなりの累積時間になる。(スポーツ施設とは比べ物にならない頻度と思う。)このような場所では、水はけ、踏圧、芝の擦り切れが常に問題となる。芝生を張っても1年から3年で、芝は雑草に侵食される場合が多い。このような対策には、芝に活力を持たせることである。しかし、芝は年中活性化しているわけではない。冬眠期間もあれば、非活性時期もある。また擦り切れによる修復時期もある。過度なストレス(日照不足、水分不足、極端な踏圧、外気温の急激な変化)からの復元時期もある。このような場合に対処できる方法として、今回の生育試験を位置づけた。
芝生育環境にとっては、床土、排水環境に配慮することが最大のポイントと言える
。
5)施工に関して
混合土は事前に工場(埼玉県内)で混合された土を使用した。1袋の重量は20kgである。(山砂16kgゴムチップ4kg)混合手間はない。10cm仕上げで1m2当たり7袋使用する。
下層ゴムチップは3~8?粒径のものを使用(1袋25kg入り)5cm仕上げで1m2当たり1袋使用する。
施工の状況は写真を参照にしていただきたい。
試験区Bは2ヶ所に分かれる。ともに排水が悪い場所である。(施工場所は全体的に良くはないが)
混合土、ゴムチップの敷き均しは板ジョウキで行った。軽作業でできた。(ただ今回はGLの関係上基盤の掘削がありそれに時間の大半を使った。)なるべく、現基盤上に施工することが、施工も楽であり排水も良くなるためお勧めします。
問題点としては、施工エリヤの縁止めが必要なことである。ゴムチップ、混合土に粘性がないため、芝生育以前に踏圧により各層が押し出されることがある。この点は十分注意して下さい。
施工期間は4月1日から4月9日までの時間のできたときに行った。(延べ時間は5時間である。員数は2人)
6)B試験区工法の大きな特徴
この施工法ならば、基盤層が粘土層でも砕石混じりの層でもまたは、コンクリート、アスファルト上でも芝舗装が可能である。下地ゴムチップ層が暗渠排水、クッション層として機能するため、従来行っていた掘削残土処理は全く必要がない。(但しGLが関係する場合には掘削残土処理は必要である。)水はけの悪い場所でも手軽に芝生化ができる。
スポーツ広場、校庭・園庭、等の大規模な芝生舗装にも最適と思われる。ただし、大規模施工は従来の施工方法とは異なる施工方法が必要である。
今後生育状況を逐次開示していきますので楽しみにしてください。またご意見、ご質問がある場合には、弊社までお寄せ下さい。
A試験区の基盤状態

B試験区の基盤状態


基盤は粘土である。掘削にかなり手間取った。

この部分もかなり水はけが悪い。部分的に粘土層がある。

B試験区の下層ゴムチップを敷き均す。敷き均し厚は5cm。作業は
いたって簡単である。板ジョウキで仕上げる。



A試験区、B試験区に床土混合土を敷き均す。
下記写真A試験区は上から5cm、10cm、8cm仕上げ
8cm仕上げの部分は下層にゴムチップ層がある。

5cm仕上げ。

10cm仕上げ。

8cm仕上げ。



仕上げ厚8cm。
床土完成後散水し安定させた。(転圧は人力による踏み固め)その後、
化成肥料を1m2当たり40g散布した。
芝を目地無で全面張りを行った。

