弊社では10年前から廃タイヤゴムチップをベースにした芝舗装を開発してきました。その第一号が「スクールターフ」です。この工法は、特殊アスファルト乳剤と、ゴムチップ、玄武岩砕石骨材を基盤材とした工法です。この製品はいろいろな用途に使え、芝の再生も容易な長所がある一方、かなりの熟練技術が必要であり、またかなりのコストがかかるため、あまり普及しておりません。また、それに使う天然芝も制約されるため、芝の入手も手間とコストが掛かります。
これらの問題点を解決するために、6年前から開発を続けてきたのが「ターフチップMS」工法です。工法の開発には下記コンセプトにて行いました。
その概要は、床土にゴムチップと樹皮を一定割合で混合した混合土を使います。その厚さは5cm~15cmです。樹皮は、針葉樹樹皮(ヒノキの樹皮は使いません)広葉樹樹皮どちらでも構いません。また少量の木片が含まれていても何ら問題はありません。
この混合土に生育した芝を張ります。芝の種類は何でも構いませんが、本州地域では高麗芝、野芝をお勧めいたします。サッカーブーム、校庭緑化が始まり、幾種かの芝が使われていますが、我が国で古くから実績のある高麗芝、野芝がコストも安く、我が国の気候環境に最適といえます。1㎡単価で600円前後とかなり安く、扱いやすい芝です。
芝は全面張りです。(芝目地は設けません)
芝張り後、目土としてゴムチップを散布します。ゴムチップ散布直後は全面真黒です。芝活性時期(外気温が23℃超えると)なら10日ほどで緑に変わります。
概要はこんな感じです。
さて、4年前にこの工法で施工した芝を2009年9月7日床土からカットしてその状態を見ました。下記写真がその状況です。
今年は日照不足で芝の生育が弱く刈り込み回数が少なく管理は楽でした。
目土として散歩したゴムチップ(1㎡当たり8kg――2回に分けて散布)は表面にはほとんど見受けられない。この芝の上でジャンプしてみると良く実感できます。適度なクッション性としっかりした支持力を実感できる。(表現が難しいのが残念である)
ケンスコでカットする。
カットした状態。混合土の杉樹皮のリグニンを多く含んだ部分は残っているが他の部分はかなり分解している。杉樹皮が分解しにくいメカニズムは、リグニンの分解が進まないからです。リグニンの分解は特殊なキノコ菌により可能です。ゴムチップはそのまま残っている。
全層厚は8cm強ありますが、3cm前後まではターフ部分と目土のゴムチップです。床土部分は5cm程度です。 今回の調査の結果芝床の厚さは5cmでも十分だということが明白になった。従来の常識、すなわち、床土には、透水性の良い、ふるい砂が最適であり、その厚さは150㎜は必要である。地下には暗渠排水が必要だという常識は覆されたといえる。また、エアーレーションを行うことも必要だと言われている。この現場では、当然エアーレーションは行っていません。 この現場の基盤土は、庭の土(スギナが生えて、痩せた粘性分を含んだ土)からレキ分を取り除きました。その基盤土に杉樹皮とゴムチップを混合して床土とした。床土の下は粘性土です。(常識からすればすこぶる悪い条件だ)
目土としてゴムチップを2回散布した。その厚みが写真からわかるように4.5cmのところまである。すなわち2.5cmの厚みになる。1回目に播いた物は土の中に入っている。2回目のものもだいぶ下に埋没していることが分かります。 下の写真2枚(2007年4月。この部分はまだ2年経過です)は排水が悪く、粘土層のため床土下に粗いゴムチップの層を設けた。この層は排水層、貯留層の役目を期待して設置した。今回の調査試掘でその効果は十分確認できました。
下の写真は2009年9月7日。
根は良く生育し、下のゴムチップ層まで達していた。 床土は、広葉樹バークとゴムチップを混合した。芝はティフトン芝である。 ティフトン芝はかなり厄介な芝で、7~8センチに伸びたターフを刈り込むと茎ばかりになり、みすぼらしくなる。これを防ぐには刈り込み回数を多くし、短く管理することが必要です。また長くしたまま放置すると、夕方蚊の住処になることもあります。
今回の調査の結果、下記の点が明らかになりました。
以上の結果から「ターフチップMS工法」は下記の内容になります。
基盤土はあらゆる土、砂を使えます。但し、粘土、アルカリ、酸性の強い土、塩分を含んだ土、レキ分、砕石を含んだ土、重金属を含んだ土は使えません。土壌改良として混合する、樹皮は杉樹皮、広葉樹バークを使います。その添加率は10%から20%です。ゴムチップは廃タイヤリサイクルゴムチップ。その粒径は1~8㎜又は棒状ゴムチップ。その添加率は10%~20%です。これら、ゴムチップ、バークの種類、添加率は各現場により異なります。
床土の厚さは5cm~15cmです。
外周排水溝は必ず必要です。但し、規模の小さな施工場所では設置しなくても可能です。また、単粒砕石で設置することも可能です。
フラットなサッカー場等スポーツ広場の場合には必要となります。園庭等3,000㎡前後の面積で面勾配が1%以上の場合には必要ありません。湧水が想定される場合には必ず必要です。
勾配の少ない(0.5%)面積が大きなスポーツ施設等では必要です。その厚さは100~150cmです。
3,000m2前後以下の場合には必要ありません。但し面勾配を1%以上付けます。
スポーツ施設等では専用施設が必要ですが、3,000m2前後の施設では取り立てて必要としません。水道水等の散水ができる施設で十分です。(家庭の散水と同じで考えてください。)
目土には1~3mm粒径のゴムチップを1m2当たり5kgを散布します。この場合散布時期により蒔く量を調整します。また2年目にも3kg程度散布します。 もし、ゴムチップの散布により保水性が損なわれ、芝の生育が悪くなった場合には、細かい土(粘性のある土)を薄く蒔きます。直ぐに復元してきます。また、部分的な芝の禿ができた場合には、同様に行ってください。
どんな芝、どんな施工をしても、芝を酷使すれば必ず擦り切れます。その場合には張り替えるしか方法はありません。その場合にはその部分だけ芝を剥がし、新しい芝と張り替えて下さい。張り替え方は状況、時期、品種により大きく異なるため弊社へ問い合わせてください。
施工時にコーティグ肥料を1m2当たり150g散布する。追肥は年に1回程度1m2当たり100g散布します。時期は芝が活性化しているときに行います。冬眠時にはしないこと。また牧草系(西洋芝)では液体肥料が適している。肥料やけに注意することが必要です。但しもし肥料やけが起きても心配はいりません。なるべく早く散水してやることです。コーティグ肥料なら先ず起こしません。
刈り込みは、管理芝丈の高さ、品種、気候により大きく異なりますが、1週間に1度を目安とします。その時発生するサッチ除去に気を付けてください。特に夏芝で冬眠に入る前の刈り込み時のサッチは除去して下さい。この手間を省くと来春からの生育が遅れます。
夏芝(高麗、野芝、ティフトン等)にオーバーシードする場合には、地域にもよりますが9月から10月に行うことが必要です。(発芽温度20℃) 種は夏場に死滅するライグラス等が適しています。当然刈り込み後に行います。その場合ゴムチップの上から蒔き、その上に薄く目土(細かい粘性土)蒔きます。詳しくは我が社へお問い合わせください。
施工価格は、施工面積、芝の品種、用途等により異なりますが、概算で1m2当たり6000円から9000円になります。屋上等はこの金額の2倍程度になります。詳しきは弊社へお問い合わせください。
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