酸性で有機質の多い土壌を好む。火山灰の黒ボク土壌や有機質を多く含む砂質の土壌は好適である。最適pHは4.3?4.8 と非常に低く、5.0以上になると生育が劣るとされている。しかし、有機物が多く施用され、施肥が適切ならば5.5程度の土壌でも正常に生長している。
有機物源としては、バーク、鋸くず、わら、刈り革、落ち葉などが上げられる。これらを厚くマルチすることで土壌の乾燥防止や雑草の発生防止にもなる。ブルーベリーは浅根性であるので土壌の乾燥害を受けやすく、マルチは乾燥を防ぐ有効な手段である。表4は土壌中の養分と生育との関係を調査した結果の中から特に生育の悪い園地を上げたものである。pHが高かったり異常に低い園、Caやk2 0の多い園、硝酸態チッソが異常に高い園で生長が悪いことがわかる。
| 表4 生育の悪い園地の土壌条件 | |
| 項目 | 内容 |
| 土質 | 粘質土の赤土など乾くと硬くなる土壌 |
| 前作 | 水稲(湿田では特に悪い)、野菜(pHが高いのが特長) |
| pH | 4.0以下または5.5以上 |
| アンモニア | Nとくに影響なし |
| 硝酸態N | 15mg/100g以上の園で生育の悪い場合多い |
| リン酸 | とくに影響なし |
| カリウム | 100mg/100g以上の園で生育の悪い場合多い |
| 石灰 | 400mg/100g以上の園で生育が悪い。600mgを超えると顕著 |
ハイプッシュ系品種は冬の低温には極めて強いとされているが、年によって凍害の発生が見られている。凍害は休眠が破れる3月中旬以降に低温が続いた場合に発生する例が多く、品種間でも差異が見られている。表5に主要品種の凍害発生状況を示したが、コリンズ、アーリプルーの被害は大きく、プルエツタ、ジャージー、ブルージェイ、ノースランドは被害がなかった。また、遅伸びした株ではとくに被害が大きいので、7月以降の追肥は極力避ける様にする。
| 表5 これまで岩手大の農場で見られた凍害の程度と症状 | |
| 品種 | 凍害の症状・現象 |
| バークレイ | 新梢先端部の花芽が枯死する程度 |
| ブルージェイ | これまでに凍害の発生を認められていない |
| ブルークロップ | 雪上に出た部分枯れる程度 |
| ブルーレイ | 2次伸長した新梢が枯れる程度 |
| ブルエッタ | これまでに凍害の発生を認められていない |
| コリンズ | 3月中旬以降の低温で枯死するなど大きな被害が出る |
| ダロウ | 新梢の先端部が枯れる程度 |
| ディキシー | 外見上は変化がないが樹勢の低下が著しい |
| アーリブルー | 3月中旬以降の低温で枯死するなど大きな被害が出る |
| ジャージー | 2次伸長した新梢が枯れる程度で実害はない |
| ノースランド | これまでに凍害の発生を認められていない |
| スパルタン | 新梢先端部の花芽が枯れたり、樹勢の低下が認められる |
ハイプッシュ系品種は一般に夏の高温に弱いとされていて、高温乾燥が続くと果実肥大の抑制、落果等の実害が出る場合がある。平成6年は異常な高温・乾燥の年であったが樹勢の衰弱が目立った。東北地方の冷夏、いわゆる冷害の起こるような条件下ではむしろ良好な生育をする例が多い。
根群域が浅いので乾燥の影響を受けやすく、適度に降雨の有ることが望ましい。しかし、収穫期に長雨が続くと味の低下、裂果、腐敗等の被害が大きくなる。東北地方の収穫期は長雨の上がった後に最盛期が来るので関東、上信越地方の産地と比べて有利であるが、場合によっては雨よけ栽培を考える必要もある。
ブルーベリーの生産が始まって10数年たった今、産地間の善がかなりはっきりして来た。それらの原因は気象や土壌などの自然条件に負うところが大きいが、社会的な立地条件も無視できない。社会的な立地条件の良否が販売に直接関わって来るからである。
社会的な立地条件として先ず上げられるのは、消費者までのルートの長短である。道路網とか鉄道といった輸送手段が充実しているとか近くに観光地を持っていることは極めて有利な条件である。しかし、この様な物理的な条件に加えて、その産地の持つ販売能力がルートの長短、場合によってはルートの有無に関わっている場合さえある。産地にはブルーベリーがあり、一方に欲しいと思っている消費者があるとき、どうやって両者の間に道をつけるかが鍵である。現在の産地を見た場合、アイデアと行動力こそが道を切り開く力であることがわかる。販売に対する工夫等については後の項で述べる。
転載元情報
元、岩手大学農学部付属農場 横田 清
(ブルーベリーの栽培と流通をめぐって)
公開講座テキストより
※ 当社ではマルチング材の販売を行なっていますが、ブルーベリーは取り扱っていません。
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