CCマルチング 岩手大学研究報告書 - 樹皮マルチング

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マルチング(雑草制御)  【CCマルチング】
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CCマルチング 岩手大学研究報告書

岩手大学で杉、檜の樹皮を使用したCCマルチングの効果を調査しました。

岩手大学マルチング研究報告書 写真は岩手大学圃場内ブルーベリー園

  • 樹列下の雑草発生

スギバークによるマルチングは樹列下の雑草発生を強く抑制し、5cm厚で被覆した場合には2シーズンはほぼ完全な効果が期待できることがわかった。スギチップによるマルチングでは実施1年目は十分な雑草抑制効果を示すが、2年目には飛散や分解で薄くなり、部分的ではあるが雑草の生長を促すような結果となった。

  • ブルーベリー園におけるマルティング効果

図2にマルティング各区の雑草に覆われた面積率(被度計)を、表3に発生した雑草の草種とその被度とを時系列で示した。

図2

A区

A区CCバークでマルチングを行った部分
実際のマルチング試験写真→

B区

B区樹木を粉砕したチップでマルチングを行った部分
実際のマルチング試験写真→

C区

C区粗製バークでマルチングを行った部分
実際のマルチング試験写真→

D区

D区対照(無処理)マルチングを行わなかった部分
実際のマルチング試験写真→

表3マルティング区に発生した雑草種と被覆率


試験区 調杳年/月 草種および(被度) 被度計
A区
バーク10cm厚マルチング
’97/6 ハルジオン(1.0) 1.0
’97/9 イヌビエ  (1.0) 2.0
’98/4 ハルジオン(1.0) 1.0
’98/6 ハルジオン(1.0)、イヌガラシ(1.0) 2.0
’97/9 イヌビエ(1.0)、ツユクサ(1.0) 2.0
’99/6 ハルジオン(1.0)、イヌガラシ(1.0) 2.0
’99/9 メヒシバ(1.0)、ツユクサ(1.0) 2.0
’00/5 ハルジオン+イヌガラシ 1.0
B区
チップ10cm厚マルチング
’97/6 ハルジオン(1.0)、エゾノギシギシ(1.0) 2.0
’97/9 イヌビエ(2.0)、メヒシバ(2.0)、ツユクサ(1.0) 5.0
’98/4 ハルジオン(5.0)、ナズナ(3.0)、ハコベ(2.0) 10.0
’98/6 ハルジオン(5.0)、メヒシバ(10.0)、イヌビエ(2.5)、イヌタデ(2.5)イヌガラシ(2.0) 22.0
’98/9 メヒシバ(20.0)、イヌビエ(10.0)、ツユクサ(10.0)、イヌガラシ(5.0)、ナガハグサ(5.0)  50.0
’99/6 ハルジオン(7.0)、イヌガラシ(3.0)、メヒシバ(10.0)、ツユクサ(3.0) 23.0
’99/9 メヒシバ(30.0)、イヌビエ(5.0)、ツユクサ(15.0)、イヌガラシ(5.0) 55.0
’00/5 ハルジオン(10.0)、スギナ(5.0)、イヌガラシ(5.0)、ツユクサ(2.0)、その他(5.0) 27.0
C区 粗製バーク 10cm ’99/6 ハルジオン(1.0)、メヒシバ(1.0)、ツユクサ(1.0) 3.0
’99/9 ハルジオン(2.0)、メヒシバ(5.0)、ツユクサ(5.0) 12.0
’00/5 ハルジオン(1.0)、イヌガラシ(1.0) 2.0
D区 対照 
(無処理)
’97/6 ハルジオン(15.0)、ハコベ(10.0)、エゾノギシギシ(5.0)、ナガガグサ(5.0)、その他(10.0) 45.0
’97/9 メヒシバ(60.0)、イヌビエ(15.0)、ツユクサ(5.0)、イヌガラシ他(20.0) 100
’98/4 ナズナ(25.0)、ハルジオン(15.0)、ハコベ(15.0)、ナガハグサ(10.0)、その他(20.0) 85.0
’98/6 ハルジオン(20.0)、ナガハグサ(20.0)、メヒシバ(25.0)、イヌビエ(10.0)、その他(25.0) 100
’98/9 メヒシバ(50.0)、イヌビエ(10.0)、イヌタデ(10.0)、ツユクサ(10.0)、ナガハグサ他(20.0) 100
’99/6 ハルジオン(30.0)、イヌガラシ(15.0)、ナガハグサ(5.0)、ヒシバ(25.0)、その他(25.0) 100
’99/9 メヒシバ(60.0)、ツユクサ(15.0)、その他(25.0) 100
’00/5 ハルジオン(45.0)、ヒメオドリコソウ(35.0)、イヌガラシ(10.0)、その他(10.0) 100

バークマルチング区は3シーズンを経過しても雑草の発生はハルジオンおよびイヌガラシがごく部分的に認められ、人手で引き抜けば済む程度で、除草剤をまったく使用する必要がなかった。チップマルチング区では処理3か月後の7月下旬まではほぼ完全に雑草発生を抑えていたが、その後はイネ科雑草の発生が目立つようになり、さらに翌年春以降には全面に雑草が発生し、除草剤全面散布が必要になった(表4)

表4  ブルーベリー園における除草剤散布日及び10アール当りの散布薬量

散布年月日 除草剤名 各区の散布薬量(m1/10a)
バーク区 チップ区 粗製バーク区 対照区(無処理)
97年6月23日 ハービー 0 50 500
97年8月27日 ハービー 0 100 500
98年4月26日 ランドアップ 0 100 500
98年6月20日 ハービー 0 200 500
98年8月23日 ハービー 0 200 500
99年6月18日 ハービー 0 200 0 500
99年8月12日 ハービー 100 200 100 500
00年5月16日 ランドアップ 50 300 100 500

表5は土壌硬度の測定結果であるが、株下、株間ともマルチング区では対照区より明らかに柔らかく、とくにバークマルチングでその効果が大きかった。

このことは、収穫の際に株もとまで足を踏み入れるブルーベリー園ではスギ資材によるマルチングが土壌保全上極めて有効であり、とくに多数の人間が訪れる摘み取り囲いにおいてはさらに価値が高いと考えられる。

表5 杉資材のマルチングがブルーベリー園の土壌硬度に及ぼす影響

年/月 項目 杉バーク 杉チップ 粗製バーク 対照(無処理)
株下 株間 株下 株間 株下 株間 株下 株間
98/8 土壌硬度 0.44 2.04 0.87 2.16 - - 0.96 3.03
    対照比 45.8 67.3 90.6 71.3 - - 100 100
00/5 土壌硬度 0.32 1.78 0.68 1.96 0.44 1.85 0.95 3.58
    対照比 0.34 49.7 71.6 55.5 46.3 51.7 100 100
各区5か所平均値

以上の結果から、スギバークによるマルチングは雑草発生の抑制および土壌の膨軟化に極めて高い効果を示すことがわかった。

スギチップのマルチングは2年目に入ると飛散したり分解して薄くなり、雑草抑制効果は低くなったが、コストと有機物還元を考慮すると、株もとにチップ、株間にバークの形、あるいはチップを敷いた上にバークで穫う形も今後の検討である。また、本試験では10cm厚でマルチングを行ったが、リンゴ園での5cm厚マルチングでも雑草発生を強く抑えているので、さらに薄くマルチングすることも検討課題である。

1999年5月に施工した粗製スギバーク区では、素材が大きいために厚みの割りに空間が大きく、締まりの悪い株もとからツユクサおよびメヒシバが発生し、7月申旬には人手による除草が必要になった。1年を経過した2000年5月現在では、全般に締まり状況は好転し、部分的にハルジオンとイヌガラシが点在する程度となっている。なお、降雨後に表面の材を剥すと下の材は湿っていた。

1999年5月に施工した粗製スギバーク区では、素材が大きいために厚みの割りに空間が大きく、締まりの悪い株もとからツユクサおよびメヒシバが発生し、7月申旬には人手による除草が必要になった。1年を経過した2000年5月現在では、全般に締まり状況は好転し、部分的にハルジオンとイヌガラシが点在する程度となっている。なお、降雨後に表面の材を剥すと下の材は湿っていた。

摘要

スギ資材によるマルチングの効果をリンゴ園およぴブルーベリー園において検討し、次のような結果を得た。

1.バークによるマルチングは3シーズンにわたってほぼ完全に雑草発生を抑えた。それにともない除草剤の使用量がリンゴ園で照区の十分の一に軽減した。ブルーベリー園では除草剤散布の必要が認められなかった。

2.バークの場合、被環の厚さは5cmで十分であると考えられた。

3.チップによるマルチングは2シーズン目に入ると飛散や分解で薄くなり、夏以降には雑草発生が旺盛になった。

4.パルプの併用を試みたがその効果は明らかではなく、かえって分解にともない過栄養の状態を作り出すように観察された。

5.ブルーベリー園ではマルチングによって土壌の膨軟化が認められ、とくにバークのマルチングで顕著であった。

6.粗製バークのマルチングはCCバークと比べると、株元からの雑草発生が多く、また、耐久性も劣るように観察されたが、もしも価格が2分の一以下ならば普及性は大きいと考えられた。

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