よじ登り遊具(クライマー)という用語は、様々な遊具を意味している。これらはアーチクライマー、垂直ポール、チェーンやネットクライマー、上半身の遊具(頭上の水平はしごやリング) 、ドームクライマー、平行棒、バランス梁、ケーブル歩き、つり橋、螺旋状のクライマー、繋がったプラットホームによる構造物などである。 (図14の例を参照せよ)よじ登り遊具は一般的に、公共プレイグランドの他の遊具よりも、身体的挑戦度が高くなるよう設計されている。
年上の子供は、年下の子供より、頻繁によじ登り遊具を上手に利用しようとする。なぜなら、年下の子供は、登る活動(バランス、調整、上半身の強さを含む)に必要な身体的技能がまだ発達していないので、横棒付きはしごや硬くない遊具、アーチクライマーや上半身を使う遊具のようにより挑戦度の高いものを用いることが困難だからである。
(図14)既に10章で議論した遊具入り口に対する取り扱いが、よじ登り遊具ではより挑戦度の高い形で用いられるので、その章で述べられた握り部品や階段状プラットホームの大きさに関する勧告は、よじ登り遊具についても適用しうる。
登り遊具には、子供が18インチ以上の高さから落ちかねないような登り棒や、他の構造部品を付けてはならない。
登り遊具は子供が登るときと同じくらい容易に降りられるようにする。この勧告を実行するための1つの方法は、容易に降りることのできるもう1つの手段、つまり他様式の出口、プラットホームなどを配備することである。例えば階段は垂直のはしごや柔らかな登り遊具よりも、簡単に降りられる。遊具の入り口部分の異なるタイプを、子供の達成感のレベルで特徴づけて10章に記している。
就学前の子供:就学前の子供のために設定されたよじ登り遊具について、簡単な下降方法を提案することは、特に重要である。これは、彼らの降りる能力は同じ要素を登るための能力より遅れて現れるからである。
ネットやチェーンの登り遊具は、しなやかなロープやチェーンを格子に組んで使っている。タイヤの登り遊具もまた、フレキシブルな遊具と称されている。これはタイヤを一段一段、傾斜した格子状にしっかり留めるか、個々にチェーンで吊り下げるかして、プラットホームまで導入するものである。ネット、チェーン、タイヤの登り遊具は安定した支えのないしなやかなものなので、慣習的なはしごよりもバランス能力が必要になる。
プラットホームに至るまでのしなやかな格子状登り遊具は両端がしっかりと固定されねばならない。 一方が地面にあるとき、固定器具は地面の下、保護的な舗装材料の下に取り付けなければならない。
ロープ、ケーブル、チェーン、タイヤの連結部は安全に固定しておく。格子の水平・垂直要素間の隙間は、身体のはまり込み基準をすべて満たす必要がある。 (9.6節参照)
しなやかな登り格子が、就学前の子供を対象とした遊具にアクセスする唯一の手段であるなら、これは推薦できない。
アーチクライマーは凸形の側の支えに金属製や木製の桟が取り付けられてできている。それらは支柱なしでそれ自身で立っているか(図14) 、他の遊具に付属して、そこにたどり着くためのやる気をそそる手段として提供される(図12)。特にたどり着くのが難関であれば、それらを遊具にアクセスする唯一の手段として用いるべきではない。さほど難しくなければ、子供たちは確実にアーチクライマーを利用する。なぜなら、かれらは無理強いではなく、喜んでやりがいのある方を選ぶと推測されるからだ。支柱なしに設けられたアーチクライマーは就学前の子供には奨められない。
アーチクライマーの横棒(桟)の直径と間隔は、表2の横棒付きはしごに対する勧告に従うべきである。
4歳児は、一般的に表記のような上半身を使う遊具を利用できる最年少の子供である。以下の勧告は4~12歳の子供に適用するよう設計される。
水平はしごの横棒と横棒の間隔は、身体のはまり込みに関する勧告を満足するよう9インチ以上とする(9.6節参照)。水平はしごの横棒の中心間距離は以下の通りとする。
この勧告は、つり輪の間隔には適用しない。なぜなら、つり輪を使うとき、つかんだ輪が弧を描いてゆれ、次のつり輪までの距離が減少するからである。
就学前の子供を想定した水平はしごには、平行で等間隔の横棒を配置する。
これら上半身を使う遊具の片端の最初の握り部分は、プラットホームの上に直接設置してはならない。もし、子供らが昇り降りの際に、最初の握りから落下した場合、遊具の堅い入口部分と衝突する危険性を最小限にするよう心がける。握り部分の中心から保護的な表面舗装材まで測ることによる上半身利用遊具の最大の高さは、以下の通りである。
もし、つり輪をチェーンでつるすのなら、チェーンの最大の長さは12インチとする。
垂直ポールは他のどの登り遊具よりも、さらに挑戦的に設計される。就学前の子供には上半身の筋力とポールを滑っておりる整合性が欠けており、これは奨められない。しかも、より年少の子供が一旦、ポールをつかめば、他に降りる手段がなければかれらは落ちるしかないのである。
垂直ポールは、滑り表面に沿って溶接の突出や継ぎ目がなく連続で、滑る方向の向きが変わらないこと。
垂直ポールからプラットホームの端、またはポールに登るための他の設備との間の水平な距離は、最低でも18インチとする。この最小距離は、垂直ポールから降りる全ての地点に適用される。
子供がポールに到達するための取り付け構造物の上にある垂直ポールはどの個所も、取り付け構造物の端から20インチ以上も離れてはならない。
ポールは、プラットホーム、またはポールにたどり着くための他の構造物から、少なくとも60インチは上に伸ばすべきである。
垂直ポールの直径は1.9インチ以下とする。
垂直ポールと、それへのアクセス構造物は、他の遊具からの人の往来が、ポールから降りてくる人を妨げることがないように設置するべきである。
ロープは両端がしっかりと留められていて、 5インチ以上の周囲長をもつ輪がたるんでできたりしないようにする。
落下によるケガを避けるために、バランス梁は次の高さ以下にする。
登り遊具が、いくつかの要素から組み立てられているとき、それらの挑戦のレベルや、利用スタイルは隣り合う要素からの人の流れと合致させるべきである。
上半身を使う遊具は、これにより子供に生じる揺れる動きが、隣の遊具の子供の動きを邪魔しないように設置されるべきである。他の子供が滑り台から降りるときはなおさらである。
隣接する遊具から、上半身を使う遊具を支える天辺の棒まで登れないように設計する。
メリーゴーラウンドは、公共プレイグランドで見られる回転遊具の中で最も一般的なものである。子供は、他の子供や大人がメリーゴーラウンドを回す間、プラットホームの上に立つか座るかする。加えて、しばしばそれが動いている間にも、子供は乗ったり降りたりする。
メリーゴーラウンドは一度動きだすと、そのような産物をほとんどコントロールできない就学前の子供にとっては、身体的危険となる。そのため、その年代の子供はメリーゴーラウンドを使うとき常に監督されねばならない。メリーゴーラウンドに関する勧告事項は以下の通りである。
回転するプラットホームは、連続でほぼ円形でなくてはならない。円形でないプラットホームの最大、最小半径の違いは、 2.0インチを超えてはならない(図15参照)。遊具の各要素は握るところを含めて、プラットホームの周囲からはみ出さないこと。プラットホーム周囲の下側は、保護舗装表面から9インチ以上は高いこと。
子供がしっかりとつかめるよう方策がとられねばならない。取っ手が付けられたところでは、 10.2.1節にある手の握り要素に関する一般的な勧告を満たすべきである。
遊具の車台は、せん断や破砕の作用を受けにくいものにしておく。メリーゴーラウンドの回転するプラットホームには、鋭い端があってはならない。プラットホームの表面は車軸から周囲まで、直径5/16インチの棒が突き抜けるような穴が全くないように連続であるべきである。
円周で最大13フィート/インチの回転速度が限度となるように措置する。
メリーゴーラウンドのプラットホームには揺れる動き(上下)があってはならない。
(図15)
シーソー("teeter totter"として知られる)の典型的なものは、ボードとその中央で支点を支える柱と、両端の座席からなる(図16参照)。シーソーの使用は複雑である。なぜなら2人の子供が協力し、彼らの行動を一つに結び付けることが必要だからである。小さい子供は、シーソーを有効に使用するのに必要な技術を一般的には身につけていない。それゆえに、片方の子供が降りるのを選んでも、シーソーが急に地面に衝突しないようなバネ装置が支点に備わっていないならば、就学前の子供には推薦できない。
公共プレイグランドでは、支点シーソーがバネ支点のシーソーに置き換わる傾向がある。これは後者が、安全のために互いの行動を調整する2人の子供を必要としない利点を持っているからである。
シーソーの支点は、子供の身体をはさんだり、つぶしたりしないものにする。
車のタイヤの一部か、他の衝撃を吸収する物質をシーソーの座席の真下の地面に埋めるか、座席の下側にしっかり留めるかする。これは、衝撃を和らげるだけでなく座席と地面の間に手足が挟まることを防いでいる。支点シーソーには地面との衝撃によるケガの危険性を最小限にするため、バネを備えてもよい。
取っ手はそれぞれの座席の位置で両手で握れるように配置すべきで、また握るとき回ってはならない。取っ手は座席の脇からはみ出てはならない。シーソーが地面との衝撃を最小限にするバネ支点を備えていなければ、足置きを支点シーソーに付ける必要はない。
支点シーソーは座席を繋ぐ線と水平方向との角度が最大で25°になるように設置されるべきである。
(図16)
6歳以下の子供が最も滑り台で遊びそうであるが、年上の子供も他の型の遊具の利用しやすさとの関係に依存して滑り台で遊んでいる。子供は常に座ったり前を向いていたりするのでなく、むしろいろんな姿勢で滑り台を降りると予想される。後ろ向きで滑ったり、膝の上に乗ったり、背中で滑ったり、頭から滑ったり、滑り台を歩いて上がり下がりしたり、という具合である。特に小さい子供は頭か足を下にして、お腹で滑ったりする。
滑り台は、真直ぐか波打っているか螺旋状であり、それらがチューブ状や、上が空いたものに分けられる。これらは独立していたり(図17参照)、複合構造物の一部であるか、自然か人工斜面の上に造られたり(土手の滑り台)する。この節の勧告はウオータースライダーや、プールの滑り台にはあてはまらない。
(図17)土手の滑り台を除いて、滑り台へのアクセスは、桟やステップのついた梯子、階段によりなされるか、あるいは、滑り台が、他の方法によってアクセスできる複合遊具の一要素となっているかのどちらかである。滑り台へのアクセス手段は何であれ、それは全ての公共プレイグランド遊具へのアクセスに関する一般的議論で定義される方針と一致するべきである(10章参照)。
翻訳:岩手大学 農学部生活環境工学科 藤井 克己 教授
この文章はCPSCハンドブックより引用したものである。
CPSC Webアドレス http://www.cpsc.gov
ハンドブック原本のアドレス http://www.cpsc.gov/CPSCPUB/PUBS/325.pdf
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CPSCプレイグランドハンドブック12章 |
プレイグランド遊具の主な種類 12.2 メリーゴーランド |
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プレイグランド遊具の主な種類
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