都市公園における遊具の安全確保に関する指針 No.3 - 遊具下ゴムチップ舗装

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遊具下ゴムチップ舗装  【RGペイブ】
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1-2 リスクとハザード

(1)遊びにおけるリスクとハザード

子どもは、遊びを通して冒険や挑戦をし、心身の能力を高めていくものであり、それは遊びの価値のひとつであるが、冒険や挑戦には危険性も内在している。
子どもの遊びにおける安全確保にあたっては、子どもの遊びに内在する危険性が遊びの価値のひとつでもあることから、事故の回避能力を育む危険性あるいは子どもが判断可能な危険性であるリスクと、事故につながる危険性あるいは子どもが判断不可能な危険性であるハザードとに区分するものとする。

(解 説)

  • リスクとハザードの意味
  • リスクは、遊びの楽しみの要素で冒険や挑戦の対象となり、子どもの発達にとって必要な危険性は遊びの価値のひとつである。子どもは小さなリスクへの対応を学ぶことで経験的に危険を予測し、事故を回避できるようになる。また、子どもが危険を予測し、どのように対処すれば良いか判断可能な危険性もリスクであり、子どもが危険を分かっていて行うことは、リスクへの挑戦である。
  • ハザードは、遊びが持っている冒険や挑戦といった遊びの価値とは関係のないところで事故を発生させるおそれのある危険性である。また、子どもが予測できず、どのように対処すれば良いか判断不可能な危険性もハザードであり、子どもが危険を分からずに行うことは、リスクへの挑戦とはならない。
  • リスクとハザードの境界
  • リスクとハザードの境界は、社会状況や子どもの発育発達段階によって異なり、一様でない。子どもの日常の活動・経験や身体能力に応じて事故の回避能力に個人差があり、幼児が小学生用遊具を利用することは、その遊具を安全に利用するために必要な運動能力、危険に関する予知能力、事故の回避能力などが十分でないため、ハザードとなる場合がある。
  • 都市公園の遊び場は、幅広い年齢層の子どもが利用するものであり、一つの遊具において全ての子どもの安全な利用に対応することは困難であるが、遊具の設置や管理に際しては、子どもの年齢層などを勘案する必要がある。

(2)遊具に関連するリスクとハザード

遊具に関連するリスクとハザードは、それぞれ物的な要因、人的な要因とに分けることができる。
例えば、通常子どもが飛び降りることができる遊具の高さは物的リスクであり、落下防止柵を越えて飛び降りようとする行為は人的リスクである。
一方、遊具の不適切な配置や構造、不十分な維持管理による遊具の不良は物的ハザードであり、不適切な行動や遊ぶのには不適切な服装は人的ハザードである。

(解 説)

  • リスクには、子どもの身体的能力の範囲内で対応可能な高さや可動部の揺れ具合などの遊具の構造に起因する物的な要因によるものと、子どもができると思って行った高い所に登る、飛び降りる行為などの利用者に起因する人的な要因によるものがある。
  • ハザードには、遊具の構造的な欠陥や故障、不適切な突起の存在など遊具の配置や構造、維持管理の状態に起因する物的な要因によるものと、突き飛ばしなどの行為、絡まりやすい紐のついた衣服の着用など遊具の不適切な利用や周辺での行動、子どもの服装や持ち物などの利用者に起因する人的な要因によるものがある。リスクとハザードにある物的な要因と人的な要因とを整理しておくと、事故を未然に防止する対策を立てやすい。

■参考(ハザードの例)

  • 物的ハザード…遊具の構造、施工、維持管理の不備などによるもの
  • 不適切な配置

動線の交錯、幼児用遊具と小学生用遊具の混在など

  • 遊具及び設置面の設計、構造の不備

高低差、隙間、突起、設置面の凹凸など

  • 遊具の不適切な施工

基礎部分の不適切な露出など

  • 不十分な維持管理の状態

腐食、摩耗、劣化、ねじなどのゆるみの放置など

  • 人的ハザード…利用者の不適切な行動や服装などによるもの
  • 不適切な行動

ふざけて押す、突き飛ばす、動く遊具に近づくなど

  • 遊具の不適切な利用

過度の集中利用、使用制限の措置を講じた遊具の利用など

  • 年齢、能力に適合しない遊具で遊ばせる

幼児が単独で、あるいは保護者に勧められて小学生用遊具で遊ぶなど

  • 不適切な服装

絡まりやすい紐のついた衣服やマフラー、サンダルや脱げやすい靴の着用など

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1-3 遊具に関連する事故

遊具に関連する事故には、衝突、接触、落下、挟み込み、転倒などがあり、裂傷、打撲、骨折などの傷害をもたらすことになる。
事故の状態としては、①生命に危険があるか重度あるいは恒久的な障害をもたらすもの、②重大であるが恒久的でない傷害をもたらすもの、③軽度の傷害をもたらすものの3段階に大別することができる。特に、頭部の傷害は重度の障害につながることがあるので十分な配慮が必要である。

(解 説)

  • 遊具に関連する事故には、衝突、接触、落下、挟み込み、転倒などがあり、こうした事故は、物的ハザードと人的ハザードが関わりあって発生することが多く、一つの要因に限定することは難しい場合が多い。
  • 事故の状態は3段階に大別することができ、頭部の傷害など重度の障害につながる事故として、衝突、落下、転倒などが多く報告されている。

■参考資料 (代表的な事故事例)

○挟み込みの例

  • 丸太ローラーを素足で利用中、丸太から足を滑らせバランスを崩し、丸太と支柱の間に右足を挟み込み、右足裏を約2.5cm裂傷した。〔5歳〕
  • 複数で箱ぶらんこに腰かけて利用中、動いている状態から降りようとしてバランスを崩して転倒し、両足が箱ぶらんこ底部と設置面の間に挟まり、両足首上部を骨折した。〔6歳〕

○落下の例

  • 複合遊具の階段状のデッキに座っていたところ、高さが違うデッキ同士の隙間から、1m20cm下の設置面に頭から落下し、頭部を強打した。脳内出血により、手術を行った。〔1歳7カ月〕
  • 複合遊具の円筒形ジャングルジム部分で約2mの高さから手を滑らせて落下し、頭部を強打、約4時間意識不明、1カ月の重傷を負った。設置面はコンクリート平板であった。公園には保護者が同伴していたが、約7m離れた路上に駐車していた車内で見守っていた。〔3歳〕
  • すべり台の階段(直線型)を昇っていた際、バランスを崩し、手すりと階段の間から落下し、右腕を骨折した。〔4歳〕(「新しいニーズに対応する公園緑化施設の検討調査(遊戯施設における事故事例調査篇)」平成11年3月建設省より抜粋)

■参考資料(全米遊び場安全協会(NPSI)が包括的な遊び場の安全プログラムにおいて示しているハザードの分類)

クラスAハザード 生命に危険があるか、重度あるいは恒久的な障害を引き起こしうる状態
クラスBハザード 重大な、恒久的でないケガを引き起こしうるすべての状態
クラスCハザード 軽度のケガを引き起こしうる状態

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2.遊具における事故と安全確保の基本的な考え方

2 - 1遊具の安全確保に関する基本的な考え方

遊具の安全確保にあたっては、子どもが冒険や挑戦のできる施設としての機能を損なわないよう、遊びの価値を尊重して、リスクを適切に管理するとともにハザードの除去に努めることを基本とする。
公園管理者は、リスクを適切に管理するとともに、生命に危険があるか重度あるいは恒久的な障害をもたらす事故(以下、「重大な事故」という)につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去し、子ども・保護者等との連携により人的ハザードの除去に努める。
子どもと保護者は、遊びには一定の自己責任が伴うものであることを認識する必要があり、保護者は、特に、自己判断が十分でない年齢の子どもの安全な利用に十分配慮する必要がある。
公園管理者と保護者・地域住民は、連携し、子どもの遊びを見守り、ハザードの発見や事故の発生などに対応することが望まれる。

(解 説)

  • 遊びの価値の尊重
  • 完全にリスクを除去することは、事故の回避能力を育むといった点から問題があり、遊具が子どもにとって魅力的かつ有益であるためには、子どもの発育発達段階に応じてリスクに挑戦できる機能を備えているものであることが必要である。
  • 安全性を重視した遊具であっても、それが子どもにとって面白味のない構造や機能であれば、利用されなくなるか、危険な方法で利用されるおそれがある。
  • 遊具は、遊びを通して、より多様な直接体験を得られるものであることが望ましい。遊具の計画にあたっては、周辺の遊び場の状況、子どもの実態、気象条件などの地域や土地の特性に応じた地域の実状が尊重されるべきであり、最低限の安全は確保した上で、利用状況や子ども及び地域の実状を踏まえて柔軟に対応する。
  • 公園管理者が事故対策に過敏になるあまり、過度に安全性を重視した遊具の計画・設計や利用指導などを行うと、子どもが自由に遊ぶことができる空間や冒険や挑戦が可能な遊具が減少して発育発達を阻害するなど、子どもの不利益につながるおそれがあるので配慮することが必要である。
  • リスクとハザードの取り扱い
  • リスクは適切に管理する。
  • 冒険や挑戦の対象であるリスクは、遊びの価値を保つ上で必要であり、自己責任の度合いが強いが重度のケガにつながらないよう適切に管理する。遊具は、階段の一段目の高さを高くするなどの工夫によって運動能力などが十分でない子どもの利用を制限するなど、子どもの発育発達段階に応じて冒険や挑戦をすることと安全確保を両立させることを可能にすることが必要である。
  • 子どもは、遊具を本来の目的とは異なる方法で利用することがあることから、ある程度応用的な利用方法を想定し、安全確保の考え方もこれに対応したものとする。
  • 重大な事.故につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去する。
  • 都市公園は一定の自己責任のもとに遊ぶ場であるが、子どもが安心して遊べるよう、遊具において重大な事故につながるおそれのある物的ハザードを中心に除去することが望まれる。
  • 物的ハザードについては、計画・設計段階、製造・施工段階、維持管理段階の各段階において、除去することが必要である。
  • 遊具の構造的な欠陥など、子どもが予測できない危険はもとより、不適切な隙間や突起があるなど、子どもが予測しにくい危険も除去することが必要である。
  • 子ども・保護者の危険な行動、服装など利用に関する人的ハザードについては、子ども・保護者等により除去することを基本としつつ、遊具の設計などにおいても、事故の抑制について配慮することが必要である。
  • 子ども・保護者の危険な行動や服装などによる影響が著しい場合には、必要に応じて掲示などにより注意を喚起することが必要である。
  • 子どもにとっては、事故防止のために設置した柵が遊び道具となるなど、再発防止策が別の事故を引き起こす場合もあるため、遊具の改修にあたっては、改修する部分への配慮だけでなく、遊具の新設と同様に、全体の構造などについて配慮する。

■参考(改修により引き起こされた事故の例)

  • 転落事故を受けて、再発防止を目的として遊具上部の開口部に設けた覆いの上に子どもが登り、転落する。
  • 安全点検の重要性
  • 遊具の安全確保において、安全点検により物的ハザードが検出されることから、安全点検が果たす役割は重要である。遊具の安全確保の考え方に基づいて安全点検を行い、重大な事故につながるおそれがあるハザードを発見した場合には、適切な措置を講ずる。
  • 設置から長期間経過した遊具については、遊具そのものの老朽化や材料の劣化のほかに、子どもの年齢構成が変化することなどにより、遊具の配置や利用者の動線、植栽などによる見通しなど安全性への配慮が十分でなくなる場合もあり、遊具の利用状況なども勘案した安全点検が必要である。
  • 利用者の自己責任
  • 子どもと保護者は、遊びには一定の自己責任が伴うものであることを認識することが必要である。
  • 自己判断が十分でない年齢の子どもについては、その保護者が子どもに代って安全な利用に十分配慮し、安全確保に努めることが必要である。
  • 保護者・地域住民との連携
  • 保護者は、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意あるいは制止し、遊具の安全な利用について指導することが必要である。またハザードを発見した場合は公園管理者への連絡、事故が発生した場合には、必要な措置を講ずることが望まれる。
  • 地域住民は、公園の利用の際には、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意あるいは制止することが望まれる。またハザードを発見した場合は公園管理者への連絡、事故が発生した場合には、必要な措置を講ずることが望まれる。

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2.遊具における事故と安全確保の基本的な考え方

2 - 2 安全確保における公園管理者の役割

(1)公園管理者の役割

公園管理者は、遊具の安全確保の基本的な考え方に従って、計画・設計段階、製造・施工段階、維持管理段階、利用段階の各段階で遊具の安全が確保されるよう適切な対策を講ずるものとする。公園管理者が各段階毎の業務を外部に委託・請負する場合には、受託者・請負者に対し同様の対応を求め、適切な指示、承諾、協議などを行う。また、事故が発生した場合は、事故の再発防止のための措置を講ずるとともに事故の発生状況を記録し、その後の遊具の維持管理に反映させる。

(解 説)

  • 公園管理者の役割
  • 地域住民や子ども・保護者のニーズを踏まえ、他の公園などとのバランスを考慮した上で、計画から維持管理、利用まで全ての段階で適切な対策を講ずるものとする。
  • 遊具の計画・設計、製造・施工、維持管理、利用の各段階における公園管理者の役割は、以下のように整理される。
  • 計画・設計段階においては、遊びの価値、リスクとハザードに対する考え方を踏まえ、安全な遊び場並びに遊具を計画・設計する。
  • 製造・施工段階においては、製造・施工の受託者・請負者に対して、計画・設計の意図を把握させた上で、設計図書に基づいた確実な遊具の製造・施工と施工時の安全対策を行うよう求める。必要に応じて維持管理に必要な資料の提出を求める。
  • 維持管理段階においては、子どもの遊び、リスクとハザードに対する考え方を踏まえて遊び場と遊具の安全点検を行い、それに基づき必要な措置を講ずるとともに維持管理の記録を行う。
  • 利用段階においては、遊具の利用状況によっては、利用指導などを行う。
  • 遊び場や遊具に関わる者と情報を共有・交換することが望まれる。
  • 事故が発生した場合に備え、応急手当、負傷者周囲の安全確保など二次被害の防止の他、ただちに必要な措置が講ぜられるよう、消防署や公園管理者への迅速かつ的確な連絡がとられるための手段を整えるなどの対策を講ずることも、遊具における安全確保においては重要である。
  • 安全対策は、事故を未然に防ぐ努力を継続することが基本であるが、事故事例に学び、改善することも重要である。事故の再発を防止するためには、要因となったハザードを速やかに除去するとともに、事故の発生状況を記録し、公園利用者も含めて安全確保に関する意見交換を行うことが望まれる。
  • 業務を外部に委託・請負する場合
  • 各段階毎の業務を外部に委託・請負する場合には、受託者・請負者に対して同様の対応を求め、適切な指示、承諾、協議などを行う。
  • 受託者・請負者は、公園管理の責務の一端を担うことになるため、公園管理者と同様にそれぞれの立場において適切な対策を講ずる必要がある。

(2)保護者・地域住民との連携

遊具の安全確保にあたっては、公園管理者のみで行うことは難しく、遊具の安全確保に関する基本的な考え方を踏まえ、保護者・地域住民と連携することが不可欠である。
このため公園管理者は、保護者・地域住民との間において、安全点検、子どもの遊びを見守ること、危険な行動への注意、事故発生時の連絡などについて、都市公園の管理を通して協力関係を醸成していくことが必要である。また、子どもの遊び場に関わる民間団体との連携を図り、子どもと保護者・地域住民に対し、遊具の安全確保についての普及啓発を行うことが望まれる。

(解 説)

  • 連携の意義
  • 身近な都市公園(住区基幹公園)に常駐の管理者等が置かれることは少ないが、地域住民の目が行き届いている場合には、子どもの遊びを見守り、危険な行動への注意、遊具の故障の早期発見、事故が発生した場合の対応などの点において、より安全性を高めることが期待できる。
  • 地域社会においては世代間の交流などの機会が少なくなっており、これまで保護者や地域住民が行ってきた、子どもの遊びを見守り、危険な行動に対しては注意するといった習慣が失われつつある。こうした背景のもとでは、公園管理者が都市公園の整備、管理などの機会を捉え地域住民との連携を進めることは、地域住民の都市公園への理解を深めるとともに遊び場や遊具の安全性の向上には重要である。
  • 保護者・地域住民との連携
  • 遊具における安全確保においては、計画段階から維持管理段階、利用段階に至るまでの各段階において関わる者が、遊びの価値や遊びに内在する危険性(リスクとハザード)など子どもの遊びや遊具に対する共通の認識を持つとともに、相互に連携し、情報を共有・交換することなどが望まれる。
  • 保護者や地域住民に対しては、日常の安全点検や遊びを見守ること、危険な行動への注意などに主体的に参画し公園管理者の取組と連携しつつ事故の発生を未然に防ぐことのほか、管理者等が常駐していない場合などでは、事故発生時の初期対応への協力を求めていくことが重要である。
  • そのため、遊び場には、物的ハザードを発見した場合などの連絡先や、事故が起きたときに何をするべきかを分かりやすく伝えるための掲示などを行うことが必要である。
  • 子どもの遊びは、都市公園にとどまらず地域の多様な空間で行われるものであり、都市公園の安全確保などを契機として、地域として子どもの遊び環境や総合的な安全確保に対する意識が高まることが望まれる。
  • 民間団体との連携
  • 子どもの遊び場に関わる民間団体との連携を図り、子どもと保護者・地域住民に対して、遊び場を安全で楽しく利用するための安全確保について普及啓発を行うことが望まれる。

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